医薬品輸送ネットワーク構築でドローンによる実証実験開始  ヤマト運輸と岡山県和気町

 ヤマト運輸と岡山県和気町は6日、処方薬などの輸送におけるドローンの経済的実現性を検証する実証実験を開始したと発表した。
 実証実験は、ティーエスアルフレッサ(本社:広島市)とNTTドコモと連携し、持続的な医薬品輸送ネットワークの構築に向け、地域の医療機関が必要としている医療商材や個人宅までの処方薬などの輸送をドローンで行うもの。

赤磐吉井センターから医療機関(渋藤医院)への輸送


 具体的には、医療用医薬品等の商品を医薬品卸ティーエスアルフレッサの物流拠点からヤマト運輸が集荷し、ドローンにより赤磐吉井センターから医療機関(渋藤医院)への輸送、さらにオンライン診療・服薬指導後の処方薬を調剤薬局(林薬局)から患者宅までドローンで輸送した。
 今後、来年1月末までの期間で12日間の実験を行い、2月以降は第2フェーズとして、ドローンポートを使用せず個人宅へ離着陸する技術検証および、ドローン運行の内製化検証を行う。

12月6日実証実験 飛行ルート
  <飛行距離>
        赤磐吉井センター~渋藤医院(佐伯プラザ) 10.3 km
        林薬局(佐伯プラザ)~南山方地区患者宅 7.7km
(地図データ©2021 Google)
左から、岡山県和気町議会議長 山本 泰正、国土交通省航空局次世代航空モビリティ企画室主査 川口 望、岡山県和気町町長 草加 信義、ヤマト運輸株式会社専務執行役員 小菅 泰治、NTTドコモ執行役員ビジネスクリエーション部部長 三ケ尻 哲也、岡山県議会議員内山 登、赤磐市市長 友實 武則の各氏


 また、都市部でもドローンの社会実装に向けた取り組みを進め、将来的には複数の温度帯における医薬品輸送や宅急便の配送など、ドローンの活用拡大を目指す。
 和気町は、町内における医薬品輸送ネットワークおよびオンライン診療体制の構築をヤマト運輸と一体で進めることで、持続的な医療提供体制の確保、安心して住み続けられるまちづくりを目指す。

◆小菅泰治ヤマト運輸専務執行役員のコメント
 地域医療の分野では高齢化・過疎化が益々進み、これまでの医薬品流通ネットワークの維持が深刻な社会課題となりつつある。個々では解決が難しい問題でも、自治体、病院、調剤薬局、医薬品卸、通信・ネットワーク事業会社と一緒に取り組み、新たな輸送モードであるドローンの活用により、地域における持続可能な医薬品ネットワークの構築を目指していきたい。 ヤマト運輸は、未来の地域医療を支えるべく、精一杯取り組んでいく。

◆草加信義岡山県和気町 町長のコメント
 今回のヤマト運輸とともに実施するドローンを活用した医薬品輸送に関する実証実験は、中山間地域に位置し、少子高齢化に伴う深刻な人口減少問題を抱えている和気町にとって、住民が安心して快適に住み続けられる地域の構築に向け、地域医療体制の維持や地域間格差解消の可能性を高めるものである。
 実験の成功、そして、早期のサービス実用化に大きな期待をしている。

◆三ケ尻哲也NTTドコモビジネスクリエーション部部長のコメント
 ドコモは、地域医療における課題解決のため、オンライン診療、オンライン服薬指導およびドローンによる医薬品配送の連携による新しい地域医療のDXモデル確立・推進を目指しており、その取り組みの一環として今回、本実験に参画する。今後もヤマト運輸や様々なパートナーと連携し、新しい地域医療モデルの確立と持続的な社会実装に向けて取り組んでいく。

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