田辺三菱製薬は3日、遅発性ジスキネジア治療薬として日本で開発を進めている小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)阻害剤MT-5199について、11月30日にヤンセンファーマとコ・プロモーション契約を締結したと発表した。
MT-5199は、田辺三菱製薬が本年4月、厚労省に国内での医薬品製造販売承認申請を行っているもの。
同契約に基づき、田辺三菱製薬が適応承認取得後、ヤンセンが販売を行い、医療機関への情報提供活動については両社共同で実施する。
田辺三菱製薬は、「精神科領域で実績のあるヤンセンとパートナーを組むことで、より多くの医療関係者へ適切な情報を届けられる」との考えを示している。両社は、同提携を通じて、遅発性ジスキネジア患者さんの治療に貢献していく。
遅発性ジスキネジアは、抗精神病薬などの長期間服用によって惹起する不随意運動である。発症機序は明確になっていないが、ドパミン受容体の感受性増加等が原因と考えられている。
症状は、患者ごとに異なり、舌を左右に動かす、口をもぐもぐさせるなど、顔面に主に現れますが、四肢や体幹部でも認められる。重症になれば嚥下障害や呼吸困難を引き起こす可能性があり、重篤な状態になる患者もいる。
日本ではまだ承認された治療薬がないため、同社では、承認取得後はすみやかに患者に治療薬を届ける意向を示している。