参天製薬は18日、アクチュアライズ(本社:京都府)とフックス角膜内皮ジストロフィを対象としたシロリムス点眼液(STN1010904/AE-001)のグローバル開発に向けたP2試験(PhaseⅡa / POC試験(Proof of Concept))の共同開発契約を締結したと発表した。
フックス角膜内皮ジストロフィは、欧米人の40歳以上の約4%が罹患するとされる角膜の疾患である。進行すれば、角膜の混濁や浮腫によって視力が低下し水疱性角膜症と呼ばれる状態になり、患者のQOLが著しく損なわれる。
現在の治療法は、ドナー角膜を用いた角膜移植のみであり、世界で行われている角膜移植の約40%(第1位)が同疾患に対して行われている。一方、角膜移植には、世界的なドナー不足や拒絶反応、手術の侵襲など様々な課題があり、患者の負担の少ない点眼薬での治療選択肢が求められている。
同契約は、共同開発における両社の役割分担および 、P2試験終了時の全世界における独占的実施権許諾につき、参天製薬の独占交渉権及び交渉時の基本条件(アップフロント、マイルストーン、ロイヤリティなど)を定めている。
両社は、「STN1010904 / AE-001」がフックス角膜内皮ジストロフィ治療薬として患者の治療およびQOL向上に貢献することを目指し、早期上市に向けて開発を進めていく。