今後は高用量製剤での臨床試験に注力
アンジェスは5日、新型コロナDNAワクチンについて、2020年より実施していたP1/2・P2/3試験での有効性として、細胞性免疫の上昇はある程度確認できたものの、主要指標である液性免疫で期待する効果を得られなかったと発表した。
今後、より有効性を高めるための取り組みとして、既に8月から開始している高用量製剤での臨床試験に注力していく。なお、安全性については両臨床試験で確認されている。同件の今年度通期連結業績に与える影響は軽微である。
各臨床試験の概要と結果は、次の通り。
【新型コロナウイルスDNA ワクチン製剤のP1/2試験①概要】
・ 概要: 健康成人志願者を対象とした、筋肉内接種における治験薬の安全性及び免疫原性の評価
非盲検、非対照試験
・ 目標症例数:30例
・投与方法:筋肉内接種
◆結果: 安全性に問題はなかった。有効性として液性免疫の誘導は一部の被験者で認めたものの期待する効果を得ることはできず、以降の開発は改良製剤を用いて進める。
【新型コロナウイルスDNA ワクチン製剤のP1/2試験②概要】
・ 概要: 健康成人志願者を対象とした、筋肉内接種における治験薬の安全性及び免疫原性の評価
非盲検、非対照試験
・ 目標症例数:30例
・ 投与方法:筋肉内接種
◆結果: 安全性に問題はなかった。有効性としての細胞性免疫はある程度の上昇を確認したが、液性免疫の誘導は一部の被験者で認めたものの、より多い症例数で確認する必要があると判断した。
【新型コロナウイルスDNA ワクチン製剤のP2/3試験概要】
・概要:健康成人志願者を対象とした、筋肉内接種における治験薬の安全性及び免疫原性の評価無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験
・ 目標症例数:500 例
・投与方法:筋肉内接種
◆結果:安全性に問題はなかった。有効性としての細胞性免疫はある程度の上昇を確認したが、液性免疫の誘導は一部の被験者で認めたものの、期待する効果は得られず、さらに有効性を高める必要があることを確認した。
アンジェスでは、有効性を高めるために、次の高用量製剤を用いたP1/2相臨床試験を本年8 月より開始しており、今後は高用量製剤の開発に注力していく。
【新型コロナウイルスDNA ワクチン高用量製剤のP1/2 試験概要】
・ 概要:健康成人志願者を対象とした、治験薬の安全性及び免疫原性の評価のための無作為化、非盲検試験
・ 目標症例数:400 例
・実施施設数:関西および関東エリア6 施設
◆接種方法:筋肉内、用量(1回の接種における用量):2mg、接種間隔と回数:2週間隔3回、合計接種量 :6mg、症例数:80
◆接種方法:筋肉内、用量(1回の接種における用量):4mg、接種間隔と回数:4週間隔2回、合計接種量 :8mg、症例数:80
◆ 接種方法:筋肉内、用量(1回の接種における用量):8mg、接種間隔と回数:4週間隔2回、合計接種量:16mg、症例数:80
◆接種方法:皮内、用量(1回の接種における用量):1mg、接種間隔と回数:2週間隔3回、合計接種量:3mg、症例数:80
◆接種方法:皮内、用量(1回の接種における用量):1mg、接種間隔と回数:4週間隔2回、合計接種量:2mg、症例数:80
同研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)のワクチン開発推進事業「新型コロナウイルス(COVID-19)を標的としたDNAワクチン臨床開発」の支援を受けている。