新型コロナVLPワクチン 年末までにカナダで承認申請し来年3月に供給 伊達三菱ケミカルH取締役兼執行役常務 

伊達氏

 伊達英文三菱ケミカルホールディングス取締役兼執行役常務は2日、オンラインによる決算説明会で会見し、田辺三菱製薬子会社のメディカゴ社(カナダ)がカナダで開発中の新型コロナワクチン(MT-2776)について言及。改めて、「本年12月末までにカナダで承認申請して、来年3月末までにカナダ政府に製品を引き渡す」スケジュールを示した。当初は、2021年度2Qにカナダでの承認申請手続きを完了し、2021年内の実用化を目指していたもの。
 一方、日本における「国内で治験を実施し、来年3月に申請する」計画には変更はない。
 MT-2776は、植物由来ウイルス様粒子(VLP)ワクチンで、現在カナダでP3段階にある。被験者は、カナダ、米国、その他の国の健康成人、高齢者及び基礎疾患を有する成人約3万例。
 VLPワクチン3.75µgとGSK社のアジュバントを併用し、21日間隔で2回投与する。本年2月には、FDAからファスト・トラック指定を取得している。
 伊達氏は、メディカゴの工場の生産能力にも、「カナダ政府と契約している最大7600万ドーズを供給できるのが精一杯のキャパシティである」と言及。その上で、「あくまで7600万ドーズは最大供給量なので、実際にどのくらい必要かはカナダ政府と話し合う。日本政府とも承認申請が認められれば、数量について話し合うことになっている」と明かした。
 気になる新型コロナVLPワクチンの増産体制については、「現在の工場設備に加えて、カナダのケベック州に2024年稼働予定の工場を建設中である。日本国内でも、承認後に工場を建設する可能性も考えられる」と説明した。
 ただ、新型コロナVLPワクチン生産にはタバコの葉を必要とするため、その栽培が不可欠となる。従って、「日本で簡単に生産できるできるものでもない」ようだ。
 新型コロナVLPワクチンの特徴については、「ウイルス様粒子(Virus Like Particle)製造技術を用いた新規ワクチンである」と解説した上で、「VLPは、ウイルスと同様の外部構造を有しているが中身がなく遺伝子情報を持たないため、ワクチンとしての高い有効性に加えて人体への影響は殆どなく安全性に優れている」と指摘。
 さらに、「従来の鶏卵培養法による製造は数カ月を要するが、タバコの葉を使用するため数週間での大量生産が期待される」と訴求した。

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