オノアクト 小児心機能低下例の頻脈性不整脈で効能追加申請  小野薬品

 小野薬品は27日、短時間作用型 β1選択的遮断剤「オノアクト」について、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈(上室頻拍、心房細動、心房粗動)における頻脈性不整脈に対する効能追加の承認申請を行ったと発表した。
 今回の申請は、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈患者を対象とした後期P2/P3相多施設共同非盲検非対照試験(ONO-1101-31)結果に基づくもの。
 小児の先天性心疾患に対する開心術後などの循環動態が不安定な心機能低下例において、頻脈性不整脈が持続すると重篤化し、死に至ることがあるため、直ちに頻脈性不整脈に対する治療が必要になる。
 小児では、体格や年齢によって、カテーテルアブレーション等の非薬物治療が困難な場合があるため、薬物治療が重要かつ主たる治療手段となる。
 だが、国内で小児適応が認められている抗不整脈薬は少なく、治療選択肢は限られており、小児患者に対する新しい治療選択肢が必要とされている。
 オノアクトは、短時間作用型β1選択的遮断剤であり、主に心臓に多く存在する β1 受容体を選択的に遮断することで心拍数を下げる。同剤は、既に成人の心機能低下例における頻脈性不整脈の効能又は効果で承認されている。
 今回の小児の試験結果においても、心機能を低下させず、速やかな心拍数の減少が確認され、小児の心機能低下例における頻脈性不整脈においても治療に貢献できるものと期待される。
 小野薬品は、2002年7 月に成人の「手術時の頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する緊急処置」の効能又は効果で承認を取得し、同年 9 月に同適応でオノアクトを発売した。その後、成人で次の効能又は効果の追加承認を取得している。

・ 手術後の循環動態監視下における頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)に対する緊
急処置(2006 年 10 月)

・ 心機能低下例における頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動)(2013 年 11 月)

・ 生命に危険のある不整脈(心室細動、血行動態不安定な心室頻拍)で難治性かつ緊急を要する
場合(2019 年 3 月)

・ 敗血症に伴う頻脈性不整脈(心房細動、心房粗動、洞性頻脈)(2020 年 6 月)

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