新型コロナ治療薬国内P1試験の好結果を国際学会ISIRVで発表  塩野義製薬

 塩野義製薬は21日、新型コロナ感染症治療薬として開発中の経口抗ウイルス薬(S-217622)について、非臨床試験および国内P1臨床試験における結果を19日~21日まで開催されたInternational Society for Influenza and Other Respiratory Virus Diseases(ISIRV)-WHO Virtual Conferenceで報告したと発表した。
 ISIRVでは、2021年7月から開始した国内P1臨床試験で安全性・有効性が確認されたことを含め、これまで非臨床で実施した薬効および薬物動態に関する試験結果を発表した。発表の概要は次の通り。

◆非臨床試験
・in vitroにおいてδ株を含む幅広い株に対して活性を示した。

・動物を用いた種々の試験において用量依存的なウイルス減少効果を示した。

・高い代謝安定性に加え、各種動物において長い半減期と優れた経口吸収性を示した。

◆国内第1相臨床試験(単回投与用量漸増試験)

・良好な安全性、忍容性が確認された。

・1日1回の経口投与で,非臨床試験から予測されたウイルス減少効果に必要な目標血中濃度を上回った

 これらの結果から、同治療薬が1日1回の経口投与により新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を効果的に減少させることが期待される。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬であるS-217622は、塩野義製薬と北海道大学の共同研究から創製された3CLプロテアーゼ阻害薬である。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は3CLプロテアーゼというウイルスの増殖に必須の酵素を有しており、S-217622は3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制する。
 SARS-CoV-2感染動物を用いた非臨床試験において、ウイルス量を速やかかつ有意に低下させることが確認されている。日本において、2021年7月からP1試験を開始しており、現在、軽症のCOVID-19患者または無症候のSARS-CoV-2感染者を対象としたP2/3相臨床試験を実施中である。

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