京都市内の細胞製造拠点をFDA薬品製造施設データベースに登録 アイ・ピース

 アイ・ピースは12日、京都市西京区の細胞製造拠点(Peace Engine Kyoto)が、国内iPS細胞製造施設として初めて米国FDA薬品製造施設データベースに登録されたと発表した。
 同社は、グローバルな医療用iPS細胞の販売、及び医療用細胞の製造受託サービスを展開しており、京都大学山中伸弥教授の研究室出身の田邊剛士CEOによって2015年に立ち上げられた。
 田邊氏はiPS細胞の開発当初から研究に従事し、世界で初めてヒトiPS細胞の樹立成功を報告した論文の第二著者である。iPS細胞を全ての人々の手に届くものとすることを目指し、日々革新的な技術開発に取り組んでいる。
 今回のデータベースへの登録は、FDAに提出した施設詳細情報をもとに医薬品製造にふさわしい条件を備えた施設としての承認を意味する。
 また、作製された医療用iPS細胞の製造情報詳細は、製法、品質管理、安定性試験を含めてFDAのDMF(Drug Master File)に登録されている。
 FDAへの承認申請を予定される製薬企業は、アイ・ピースの医療用iPS細胞、iPS細胞由来の医療用分化細胞製品、及び医療用細胞の製造受託サービスの活用により、規制に適合した臨床試験の加速が可能になる。
 同社では、既に特定細胞加工物製造許可を厚生労働省(近畿厚生局)より取得。加えて、第三者機関により、医薬品の製造管理および品質管理に関するグローバルな基準であるICH-Q7ならびに米国食品衛生局の製造プロセスに関する規制である21CFR210/211に準拠している。
 さらに、iPS細胞のもととなる血液ドナーのスクリーニングは米国食品衛生局のヒト細胞・組織およびそれらに由来する製品に関する基準21 CFR1271に準拠している旨の認証を受けている。
 こうした背景から、アイ・ピースの医療用iPS細胞または、医療用細胞の受託製造サービスの活用により、再生医療の臨床応用の承認申請をグローバルに行うにあたり、時間とコストの大きな削減を可能にする。
 iPS細胞を原料とする分化細胞を用いて再生医療や細胞医薬品投与を実施するにおいては、原料としてのiPS細胞製造工程はFDAの審査対象となる。従って、iPS細胞を再生医療や細胞医薬品の原料として用いる場合、製品としてのiPS細胞の良し悪しだけでなく、その製造工程や品質管理が規制に準拠しているかどうかが臨床適用や細胞医薬品の承認の可否をも左右する。
 このデータベースは常に更新されており、規制違反があった場合や登録期限切れ、登録取り下げなどの場合は即座に抹消されるので、データベースを参照すればより最新の登録状況が確認できる。
 今回のFDA登録とデータベース掲載により、アイ・ピースの細胞製造拠点で製造されたiPS細胞あるいはiPS細胞に由来する医療用分化細胞製品、また医療用細胞の受託製造サービスを米国における再生医療のために安心して使えるようになった。
 さらに、FDAへの申請手続きが大幅に簡素化されることになります。アイ・ピースの細胞製造拠点(Peace Engine Kyoto)で作製された医療用iPS細胞はその製造情報の詳細がFDAのDMF(Drug Master File)に登録されており、医薬品の原料としてアイ・ピースの細胞製品を使用する場合、FDAへの申請に際し細胞製品の製造施設の詳細を調査ならびに監査し、報告する手間が削減できる。
 なお、今回の登録は、https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/drls/default.cfm(FDA医薬品製造施設データベース)でI Peaceを検索すれば確認できる。

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