リムパーザとアビラテロンの併用療法 前立腺がん一次治療対象のP3試験で好結果 アストラゼネカとMSD

 アストラゼネカとMSDは5日、リムパーザとアビラテロンの併用療法について、転移性去勢抵抗性前立腺がんの一次治療を対象としたP3相PROpel試験で、全体集団において病勢進行を有意に遅延したと発表した。
 同試験では、相同組換え修復(HRR)関連遺伝子変異の有無にかかわらず転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)を患う男性に対する一次治療としてリムパーザとアビラテロンの併用療法を行った結果、標準治療であるアビラテロン単独療法との比較で、画像診断に基づく無増悪生存期間(rPFS)の統計的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示した。
 独立データモニタリング委員会(IDMC)は、計画に基づく中間解析において、新規ホルモン製剤(NHA)または化学療法による一次治療を受けていない mCRPC 患者を対象とした試験で、主要評価項目であるrPFSの延長を達成したと結論づけた。
 試験では、同中間解析において、全生存期間(OS)の改善につながる傾向が示された。だが、データはまだ不十分であり、重要な副次評価項目としてOSの評価を継続する予定だ。安全性および忍容性は、各薬剤の既知のプロファイルと一致していた。PROpel試験データは、今後の医学学会で発表される予定にある。
 前立腺がんは、男性では 2 番目に多いがんで、mCRPCに対する利用可能な治療法の数が増加しているにもかかわらず、5年生存率は依然として低いままである。

◆アストラゼネカエグゼクティブバイスプレジデント兼オンコロジーR&D責任者のSusan Galbraith氏コメント
 現在、転移性去勢抵抗性前立腺がんの患者さんに対する一次治療の選択肢は限られており、標準治療による一次治療を行っても残念ながら疾患が進行してしまうことが多い。
 P3相PROpel試験の良好な結果は、リムパーザとアビラテロンの併用療法が、バイオマーカーの状態にかかわらず新たな一次治療の選択肢となり、この進行の速いがんを患う幅広い患者さんに対して使えるようになる可能性を示している。
 この結果について、できるだけ早く世界の規制当局と話し合いたいと思っている。
◆MSD研究開発本部シニアバイスプレジデント兼グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes氏のコメント
 PROpel試験の良好な結果によりリムパーザとアビラテロンの併用療法がアビラテロン単独療法との比較において臨床的有用性が認められたのは心強いことであり、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんの一次治療の選択肢として期待できるだろうと考える。
 これらのデータは、MSD とアストラゼネカがリムパーザをより治療の早い段階に、さらにはより多くの進行前立腺がん患者さんに提供していく取り組みにつながるものである。

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