日本歯科医師会（会長：堀憲郎氏）は9月15日、私立帝京大学小学校（東京都多摩市）で、歯の型取りに使う材料で指の型取りをする体験学習を交えながら、歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士の仕事の魅力を伝える出前授業を実施した。
子どもたちが、社会的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現するための力が求められている中、文部科学省では、学校の特色や地域の実情を踏まえつつ、子ども達の発達の段階にふさわしい「キャリア教育」をそれぞれの学校で推進・充実させるよう推奨している。今回の出前授業は、その一環として実施されたもの。
授業は、2年生を対象に、日本歯科医師会の小山茂幸常務理事が、歯科医師や関係職種の仕事内容とともに、職業の魅力や達成感などを説明した。
むし歯治療などで行う歯の修復物の作り方の紹介では、児童が実際に使用する材料を用いて自分の指の型取りを体験。材料のひんやりした感触を楽しみながら型取りを行った。
授業の終わりに自分の指の石膏模型をプレゼントされると、子どもたちは精巧な仕上がりに驚きの声を上げていた。
また、歯の修復物の製作における最新技術も披露した。コンピューターを用いて設計や生産を行う技術「CAD/CAM」について、口腔内スキャナー（光学印象）を用いて歯型やバイト（上下の歯の噛み合わせデータ）を撮影する様子や、そのデータをもとにCAD/CAM装置を用いて技工物をデザインし削り出す様子を実際に見学した。
終了後のアンケートでは、「将来、歯科医師や歯科技工士になりたい」、「CAD/CAMの機械を作る仕事に就きたい」、「歯の大事さを知った」、「第一大臼歯の磨き方が分かった」などの回答が寄せられた。
日本歯科医師会では、今後も次世代を担う子どもたちに歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士の職業の魅力を伝える取り組みを進めていく。
