活動期クローン病の複雑痔瘻治療薬「アロフィセル注」国内で製造販売承認取得

 武田薬品は27日、非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻治療薬「アロフィセル注」について、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。
 今回の承認は、国内で実施されたDarvadstrocel-3002試験および、海外で実施されたADMIRE-CD試験等の結果に基づくもの。
 アロフィセルは製造完了後、72時間以内に投与される必要があるため、受注生産を行う。また、厳格な温度管理下で、全国の医療機関への配送を可能にする物流体制を整えている。
 クローン病に伴う複雑痔瘻は、患者のQOLを著しく低下させ、患者にとって大きな負担となる。既存治療では無効および不耐の患者がおり、新たな治療選択肢が必要とされている。
 アロフィセルは、武田薬品において日本で初めて承認された同種異系脂肪組織由来幹細胞の懸濁液だ。炎症部位において、局所的に免疫調節作用および抗炎症作用を示すことで、多くの患者にとって有用な選択肢となり、医療上のアンメットニーズの充足が期待される。
◆廣田直美武田薬品日本開発センター所長のコメント
 このたび、アロフィセルが、非活動期又は軽症の活動期クローン病患者さんにおける複雑痔瘻の治療に用いられる再生医療等製品として、国内で初承認されたことを非常にうれしく思う。この承認により、従来の治療や生物学的製剤による治療を行っても効果が不十分な患者さんに対し、新たな治療選択肢を提供できる。

タイトルとURLをコピーしました