武田薬品は7日、モデルナ製コロナワクチンの自主回収対象ロット接種者において新たに1名の死亡が確認されたと発表した。同事例での死亡者は合計3名となった。
現時点では、これまでの死亡事例とモデルナ製コロナワクチン接種の因果関係は確認されていない。また、同ワクチンが健康被害や重大な安全上のリスクをもたらす根拠は認められていない。
今回新たに報告された事例は、2日より自主回収に着手している3つのロットのうちの1つ。6日時点で未使用のバイアルに異物が見つかったという報告のないワクチンロット番号3004734での2回目の接種を8月11日に受けた後、8月12日に死亡したもの。 武田薬品とモデルナ社は、厚生労働省と協力しながら、これまでの死亡事例について緊急性および透明性をもって調査を行っている。
8月26日時点で、モデルナ社製ワクチンは日本に約1800万回分が供給され、世界では45カ国で2億回以上、1億1000万人以上に接種されており、その安全性と有効性が確立されている。
モデルナ製コロナワクチンの異物混入については、1つのロットで316ステンレススチールの粒子状異物が見つかり、武田薬品は、同じ時期に同じ製造ラインで製造された2ロットを疑いのあるロットとして、計3ロットの自主回収を2日より着手している。
武田薬品およびモデルナ社が行った医療・安全性上の評価の結果、注射針を通過できる大きさの粒子状金属が仮に筋肉内に注入されてしまった場合、接種された部位で局所反応をひきおこす可能性はあるものの、大きな健康上のリスクをもたらすことはないと考察している。これらの調査結果の詳細は、近く公表される予定。
なお、現時点で、今回の死亡事例に関連するロットの製品については、未使用バイアルの粒子状異物に関する品質情報は報告されていない。