親として知っておくべき 子どもの体質悩み改善おすすめ習慣  ユーグレナ

 ユーグレナは、本年8月、1歳から5歳の子どもを持つ親200人を対象に、同居している子どもの体質などに関する悩みについて実施した調査結果を公表した。悩みの1位は、「好きなものしか食べない(77人)」、2位「野菜を食べてくれない(48人)」とトップ2が偏食傾向への悩みであった。次いで、「なかなか寝ない(46人)」、「落ち着きがない(40人)」のほか、「食が細い(29人)」や、「癇癪を起こしやすい(27人)」「肌がかぶれやすい・弱い(26人)」が続く。

石原氏


 栄養バランスや生活のリズム、そして情緒の安定性に関する悩みが並ぶが、これらにどう対策すべきかを医師の石原新菜氏(イシハラクリニック副院長/ヒポクラティック・サナトリウム副施設長/健康ソムリエ講師)が解説した。

子どもは本能で好き嫌いがあるので、嫌いなものを無理に食べさせる必要はない。だんだんと食べられるようになるので焦らなくて大丈夫だ。食べられるものの中からバランスよく、ビタミン、ミネラル、食物繊維をしっかり摂ることを意識したい。トマトが嫌いでもカボチャが好きならばカボチャで、のように。
 なかなか寝付けないのは、近年は親も忙しく生活リズムが狂いがちになってしまうこと、また、デジタルコンテンツの光刺激のせいもあるだろう。光刺激は脳を興奮させ、睡眠のホルモンであるメラトニンの分泌を抑えてしまう。
 また、1日の運動量が少ない可能性も。体が疲れると、ぐっと深い睡眠になるので運動させることも重要である。体が冷えていることも寝つきの悪さの原因になるので、毎日、湯船でしっかり温まることも大事だ。
 また、睡眠リズムと情緒の安定性、いずれも自律神経が左右する。自律神経は腸内環境とも連携しているため、腸内環境を理想的にする工夫も睡眠や癇癪などの情緒の安定につながる。

習慣にしたい食べ物

発酵食品と食物繊維で腸からハッピーホルモンを出す、毎日摂りたい食品
 
 ハッピーホルモンといわれるセロトニンの9割は腸で作られると言われている。腸内環境のために子どもに積極的に食べさせたい食品は、発酵食品と食物繊維。発酵食品から摂った良い菌を腸の中で育てるには、エサとなる食物繊維もしっかり摂ることが重要だ。

●おすすめの発酵食品… 納豆、ヨーグルト、味噌、お酢

 納豆や味噌、ヨーグルトの健康効果は有名。腸内環境を整えてくれることで自律神経や免疫機能への関与も期待できる。納豆とお味噌汁は毎日食べさせるのがおすすめである。お味噌は体を温める食品で、温かいお味噌汁で摂ると腸を温める効果もあって非常に理想的だ。朝ごはんに取り入れるのが特におすすめ。
 お酢も酢酸菌という、腸内細菌のエサとなる菌を腸に入れるためにぜひ摂取しよう。お味噌汁、牛乳にお酢ひとさじを入れることで毎日ちょっとずつ摂らせることができる。

● おすすめの食物繊維豊富な食品… ユーグレナ、アーモンド、カカオ(ココア)

 ユーグレナは、ワカメや昆布と同じ藻の一種。動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいる食品。子どもがユーグレナを含む飲料を摂取することで、便通の回数が増えたり、睡眠の質が上がったという報告事例もある。
 また、子どものアトピー性皮膚炎症状が軽減される可能性を示唆する研究成果も出ている。子どもが喜んで飲む味付けになっているドリンクもあり、いちばんの悩みでもあった野菜嫌いな子にビタミン・ミネラルなどを補わせるのにも手軽に取り入れられる。

 アーモンドは、総重量の約1割もの食物繊維を含む食品で、摂取した栄養をエネルギーに変えるはたらきや、肌や粘膜の健康を保護する働きがある。得に成長期に不足すると成長障害を起こすビタミンB2も豊富なことから子どもにぜひ食べさせたい食品である。
 カカオも、実はごぼうやセロリよりも食物繊維が豊富といわれる食品。それ以外にも一緒に含まれているポリフェノールにも自律神経を整える効果があるといわれている。カルシウム、マグネシウム、ミネラルも豊富だ。

塩も体温上昇のために重要

 子どもに塩分を過剰に摂らせないようにしようという親も多いようだが、過度に薄味にしすぎる必要はない。塩は、体温を上げる働きがあるので、不足していると体温の低下につながる。
 食事をあまり食べないのは、もしかしたら塩気が少なくて美味しく感じられていないからかもしれず、逆に量を食べ過ぎてしまう子は、必要な塩分量を摂れるまで本能で食べ続けてしまっている可能性がある。

子どものおかずは薄味すぎない味付けで。

「辛い・酸っぱい・苦い」をとる“嫌なもの反射”も腸にいい

 辛いもの、酸っぱいもの、苦いものは子どもが「ちょっとまずいかな?」とびっくりするが、実はこの“嫌なもの反射”が、腸を適度に活性化し、免疫機能などにいい影響を及ぼす可能性があるといわれている。調味料や薬味、レモン汁などを食事の中で味合わせるのも健康な腸づくりに役立つ。

食べ方のポイント

あごを動かしてしっかり噛んで食べる

 食べ物をよく噛むことで唾液に含まれる消化酵素アミラーゼが混ざりやすくなり、消化が早まる。食べ物をよく噛まないと内臓に負担がかかり、内臓が疲れることで自律神経の働きも悪化する。
 また、噛む行為は自律神経やセロトニン神経を刺激してくれるといわれる「リズム運動」のひとつ。しっかり噛むことで幸せホルモンのセロトニンが分泌され、強い心を育てることにもつながり得る。

「10回噛んで食べよう」と習慣づけよう。会話を楽しみながら

 栄養価の高いものを食べさせたい気持ちは分かるが、本来食事は楽しいことであるべき。子どもが「おなかがすいた」という感覚を持ち、食べたいものを選んで食べられることが重要である。
 野菜のえぐみや苦みは、自然界では、苦みは体が受け付けない毒の、酸味は腐敗のサイン。無理に食べさせようとすることで本能的に食べ物の安全を感知する能力の発達を妨げることもあり得る。
 消化酵素を出すためには、副交感神経を働かせる必要があるので、お小言は封印し、親子で会話を楽しみながらゆったり食事をしよう。

夕食は就寝の1~2時間前に終える

 食べ物が胃から十二指腸まで移動するのには40分~1時間かかる。

 子どもは夜8時~9時には寝かせることが重要である。夕食は、消化しやすい軽めのメニューにして、寝る1時間前までに終えるようにしよう。野菜スープやおじ、リゾット、にゅうめんなど、胃に負担がかからない食事がお薦めだ。
 揚げ物や量の多すぎる肉類、食後の甘いスイーツは、胃に負担がかかるのでなるべく避けよう。

冷たいものは温かい場所でとらせる

 涼しい場所で冷たいものを食べると、急激に内蔵が冷えることで血流が悪くなり、自律神経の乱れの原因になる。アイスなどの冷たいものがNGというわけではないが、食べるとき、飲むときにはベランダや外など、温かい場所でとるよう工夫すると良いだろう。

自律神経を整える朝習慣
起床後、窓をあけて朝日を浴びる

 睡眠中は副交感神経が優位にはたらき、起きる時間が近づくと徐々に交感神経が優位になる。その切り替えをはっきりさせるために、朝起きたら朝日を浴び、外の空気を感じさせよう。体内時計の機能が強化される。
 また、朝5時~7時は、心の発達にも重要なセロトニンの分泌のピークである。このタイミングに親子で窓際やベランダで軽い運動などをすると、さらにセロトニンの分泌を高めることができる。
 ちなみに、成長ホルモンを促し細胞の修復につながる睡眠時間は、5歳なら10時間、9歳なら9時間が目安。夜8~9時には電気を消して、睡眠前1時間はスマホやタブレット、テレビを避け、本やおはなし、ボードゲームなどをしながら、光刺激はシャットアウトするようにしたい。

朝起きたら、まず白湯を飲ませる。

 朝の1杯目の水分は、冷たい水や麦茶でなくて白湯を飲ませよう。内臓が温まって血流がアップし、自律神経が活性化する。血流がアップするとリンパの流れもよくなるため、老廃物の排出もスムーズになり代謝もアップする。
 子どもが飲みづらいという場合は、はちみつや黒砂糖でちょっと甘みを足してあげよう。「朝ごはんを待つ間に白湯を飲む」をルーティンにすると良いだろう。

排便リズムはどう作る?

 夜の睡眠中に消化されたものが朝排出されるのが本来のサイクル。朝、排便できるサイクルを作るポイントは、よく眠って朝までに消化を終わらせておくこと、また、家を出るまでに短くても1時間、できれば2時間前には起きるようにさせよう。
 朝食に手作りの野菜ジュースやお味噌汁、スープで胃腸を刺激してあげるのもおすすめ。胃腸が動くことで消化したものが直腸まで落ちやすくなる。

お腹を冷やさないテクニック

 腸内環境を整えるには、体を冷やさない、特にお腹は冷やさないのが鉄則である。そのためにすぐにできるテクニックがある。

シャツの下には必ず肌着を

 内臓が集まっているお腹を温めておくことで体温が上がる。短パンに半袖、丈が短いTシャツなどではお腹が冷えてしまう。シャツの下には必ず肌着を着せるように。肌着には汗の吸収や保温の役割があり、体感温度が約1度上昇するといわれている。真夏に屋外で過ごすとき以外は、極力肌着を下に着せよう。素材は綿100%で、サイズがきつすぎず風通しがいいものを身に着けさせる。

寝るときは、腹巻き×おふとんの横掛け

 また、寝るときには薄手の腹巻を必ずさせてあげよう。暑がりな子も腹巻だけは忘れずに。

 眠っている最中も、暑いといってふとんを蹴飛ばしてしまった後、結局寝冷えしてしまうこともままある。それを防ぐには、掛け布団を横掛けにして、足先が出るようにしてあげるようにしよう。寝ている間にたまった熱が足から逃げ、胸からおしりの下あたりはほどよい温かさを保てる。

お風呂は食べる前に、湯船につかって

 寝付くときは深部体温が少し下がったときである。冷えているとなかなか深部体温が下がらないので寝つきが悪くなるのでお風呂の習慣はつけよう。
 できれば夕食の前に。食べる前に温めることで内臓の働きも活発になり、消化・吸収もよくなる。お風呂でお腹を温める習慣によってアトピーの症状が緩和したというケースもある。

私の推奨している3分間湯船につかり、3分間洗い場で体を洗い、それを3回くりかえす、「3・3・3入浴」をすると、より代謝のアップが期待できる。お風呂の温度は41度くらいがおすすめだ。
 お風呂の中やお風呂から出たあと、お腹を温めるツボである「丹田(たんでん)」を押すのも良い。丹田は、おへそから約5cm(指3本分)ほど下がったところにあるツボで、ここを温めることで体全体を温めることができ、腸の働きも活発になる。
 鼻から息を吸って丹田に空気を溜めてからゆっくりと息を吐くように意識すると自律神経がいっそう整いやすい。

親子でできる 子どもの腸活 おすすめストレッチ
朝・夜5分のストレッチ

 朝、簡単なストレッチを行うと交換神経を刺激してくれ、夜行うと血流がよくなりポカポカで入眠しやすくなるという効果がある。上半身・下半身・全身がほぐれればフリースタイルで大丈夫である。ストレッチを習慣づけると、内臓が正常な位置に戻り、自律神経が整う。

・上半身のストレッチ

上半身のストレッチ


 四つん這いの姿勢で右手と左足を水平に伸ばし、キープする。反対も。交互に4,5回ずつ。

・ 股関節のストレッチ

股関節のストレッチ


 床に座り両足の足裏を合わせる。両ひざが床につくようにゆっくり上体を前屈。4,5回。


・ 半身のストレッチ①

半身のストレッチ①


 台に片足をのせ、腰に手を据えて支えながらお腹を突き出し、のせているほうのお尻を伸ばす。反対も同様に。左右4,5回ずつ。

・下半身のストレッチ②
 床に片足を延ばして座り、もう片方の足をクロスして組んで“4”の字を作る。
 その状態で上体をゆっくり前に倒して10秒キープ。左右交互に4,5回ずつ。

下半身のストレッチ②

・全身のストレッチ
 仰向けになり両手をバンザイ。全身を上下に思い切り伸ばし、脱力。2,3回繰り返す。

全身のストレッチ

食品画像:Shutterstock(Studio Barcelona/Victoria Sergeeva/Yamurchik/Leila Divin/Fancy Tapis)

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