東京都医学総合研究所(TMIMS) は10月21日午後2時から、一般市民向け講演会としてWebによる都民講座「病原体の感染のしくみ -新型コロナウイルスとクラミジアを例に-」を開催する。参加費は無料。
今回の都民講座は、国立感染症研究所品質保証・管理部主任研究官花田賢太郎氏が「ヒト細胞の作る脂質を病原体が盗み取る仕組み:クラミジアによるセラミド輸送タンパク質ハイジャックを例に」、東京都医学総合研究所細胞膜研究室長笠原浩二氏が「新型コロナウイルスなどの病原体の感染のしくみ」をテーマに講演する。都民公開講座の概要は、次の通り。
1 日時:10月21日(木曜日)午後2時30分から午後4時まで
2 開催方法:Web会議システム「Zoom」によるオンライン開催
3 演題と演者および講演内容
◆演題:「ヒト細胞の作る脂質を病原体が盗み取る仕組み:クラミジアによるセラミド輸送タンパク質ハイジャックを例に」=国立感染症研究所品質保証・管理部主任研究官花田賢太郎氏
◆講演内容:脂質はすべての細胞にとってなくてはならないものである。人工的に合成した脂質の微小粒子にmRNAを内包させたSARS CoV-2ワクチンについて簡単に紹介し、脂質の関わる別の話題として、宿主細胞の作る脂質を病原体クラミジアが盗み取って使う仕組みを紹介する。
性器感染症などを引き起こすクラミジアは細菌の一種で宿主細胞の中でしか増えることができないユニークな細菌である。宿主細胞の合成したセラミドを運ぶタンパク質をクラミジアがハイジャックすることが最近の研究から分かってきた。
◆演題:「新型コロナウイルスなどの病原体の感染のしくみ」=東京都医学総合研究所細胞膜研究室長笠原浩二氏
◆ 講演内容:新型コロナウイルスSARS-CoV-2感染症の流行が世界中に広がり全人類が脅かされ、いつ終息するのかまだ分からない状況が続いている。今後、新たに未知の病原体による感染症の流行がいつ起こるかについて誰にも予測することができない。
病原体から身を守る治療薬やワクチンの開発を行うためには、病原体の正体を知り、感染のしくみを突き止めることが必要である。ウイルスや細菌などの病原体による感染症に対し、これまでどのような取り組みが行われてきたかについて概説する。
4参加:定員500名(事前申込、先着順)、参加費無料
1 申込:10月15日(金)までに、ホームページ(https://www.igakuken.or.jp/public/tomin/2021/tomin05.html)の登録フォームから。