リンヴォック アトピー性皮膚炎治療薬として日本で追加承認取得 アッヴィ合同会社

 アッヴィ合同会社は25日、JAK阻害剤リンヴォックについて、日本において既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎を効能・効果とする適応追加承認を取得したと発表した。
 リンヴォックは低分子のJAK阻害剤で、1日1回投与の経口薬である。同承認により、リンヴォックは、日本において、関節リウマチと関節症性乾癬(乾癬性関節炎)に続く3番目の適応症が追加されることになる。
 アトピー性皮膚炎は、慢性で再発を繰り返す炎症性疾患だ。かゆみの症状と掻破行動を繰り返すことにより、皮膚がひび割れ、鱗状となり、滲出液が出るのが特徴である。多様な症状が、患者に身体的、心理的および経済的な負担を与える。
 世界規模の調査では、成人の約2~10%が、生涯のいずれかの時点でアトピー性皮膚炎に罹患すると推定されている。アトピー性皮膚炎の成人患者のうち、20~46%が中等症から重症である。
 今回の承認は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を有する患者を対象にリンヴォックを評価した3つのP3相試験データおよび1つのP2b相試験から得られたデータに基づいており、いずれの試験においても、主要評価項目および重要な副次評価項目を達成した。
 申請に用いた3つのP3I相試験(ADUp試験、Measure Up1試験、Rising Up試験)のうち、中等症から重症の成人および青少年のアトピー性皮膚炎患者を対象に実施した2つのP3相国際共同試験(AD Up試験およびMeasure Up1試験)において、リンヴォック群はプラセボ群と比較して、主要評価項目の投与16週時における湿疹面積・重症度指数のベースラインから75%以上の改善(EASI 75)およびアトピー性皮膚炎の全般的な重症度の総合評価(vIGA-AD)スコア0/1(「消失」または「ほぼ消失」)でより有意な結果が認められた。
 3つ目のP3相試験(Rising Up試験)は中等症から重症の青少年および成人のアトピー性皮膚炎を有する日本人患者を対象に、プラセボ群と比較して、リンヴォックの安全性を比較した。
 リンヴォック群で認められた安全性の結果は、これまでに他疾患を対象とした試験で報告されている結果と一貫しており、新たに検出された安全性リスクは認められなかった。

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