田辺三菱製薬は5日、視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)治療薬ユプリズナについて、同日、連結子会社のミツビシ タナベ ファーマ コリアが、韓国での製造販売承認を取得したと発表した。
ユプリズナは、ホライゾンから導入した新規メカニズムのNMOSD治療薬で、抗体を産生する形質芽細胞や形質細胞を含むB細胞に発現するCD19というタンパク質に結合し、CD19陽性B細胞を循環血液中から速やかに除去することで、NMOSDの再発を予防する。米国では、2020年6月に承認を取得し、日本では田辺三菱製薬が本年3月に承認を取得して6月より販売している。
韓国におけるNMOSDの有病率はアジアの中でも比較的高いとの報告があり、近年、診断技術が向上し疾患への関心が高まるとともに、患者数が増加傾向にある。
ユプリズナは、投与間隔が半年に1回という利便性から、患者の生活様式にあわせた治療を可能とし、再発予防期のNMOSD患者に対する新たな治療選択肢として期待されている。
ミツビシ タナベ ファーマ コリアは、田辺三菱製薬が1989年に設立し、韓国に根ざした企業として30年以上にわたり事業活動を展開してきた。韓国では中枢神経領域に注力しており、筋萎縮性側索硬化症の治療薬である「ラジカット」を2016年から販売。
また、2020年には、遅発性ジスキネジアの治療薬として「バルベナジン(MT-5199)」を承認申請している。
今回、ユプリズナの承認による製品ラインナップの更なる拡大を通じて、韓国での中枢神経領域における事業基盤を強化していく。