コロナ禍でのマスク着用で肌トラブル感じる人が昨年比1.6倍増加  第一三共ヘルスケア

勘違いしやすい「マスク蒸れ=肌の水分が足りている」に注意

 第一三共ヘルスケアは、昨年に引き続き2021年5月に全国の20~40代男女300人を対象とした「コロナ禍でのマスク着用と肌に関する調査」を実施。その結果、肌トラブルを感じている人が昨年の1.6倍に増加したことなどが明らかになった。

マスク生活の肌悩みのトップは「マスク下の蒸れ」

 女医によるファミリークリニック院長の竹中美恵子氏は、「マスク蒸れで肌は保湿されていると勘違いしてしまう“うるおい勘違い”に注意が必要」と指摘する。
 調査の結果からも6割の人が、マスク蒸れで“うるおい勘違い”をしていることが明らかになった。さらに “混合肌悩みの増加・深刻化”の進んでいる傾向も見られたため、肌をしっかり“保湿”することが、今夏のスキンケアのポイントになるといえる。
 これらの調査結果を踏まえた「夏のマスク生活におけるスキンケアのポイント」は次の通り。

TOPIC 1  コロナ禍2年目で 、肌トラブルが1.6倍に!

◆20~40代男女の肌トラブルは増加傾向。昨年調査結果と比較すると約1.6倍に。

  敏感肌と感じている人も約1.4倍になった。

◆男女共に肌全体の力の衰えや肌の老化を実感。4割以上が肌力の低下を感じ、約5割が老化を実感。

◆肌トラブルが増えたと感じる人が増加!

 「コロナ禍でのマスク着用と肌に関する調査」では、「昨年の今頃と比較して肌トラブルが増えた気がする」と回答した人は50.0%で、昨年6月に行った調査と比較して約1.6倍(18.9pt上昇)となっている[Q1]。
 また、「肌が敏感になった気がする」と回答した人も45.0%と、昨年の約1.4倍(13.1pt上昇)となった[Q2]。

◆コロナ禍での生活が肌に影響?!女性も男性も肌力の低下や肌の老化を実感!

 さらに、4割以上(44.4%)の人が「肌全体の力が衰えている気がする」と感じており[Q3]、「老け顔になった気がする」と感じている人は約5割(47.3%)という結果となった[Q4]。 この結果は、女性だけでなく男性にもほぼ同じ傾向が見られるため、男女問わずコロナ禍での生活の影響が肌に現れていることが推察される。

TOPIC 2 “うるおい勘違い”に要注意、混合肌悩みが深刻化する可能性も

◆マスクの着用による肌の悩みのNo.1は“マスク蒸れ”。85%以上の人が悩んでいる。

◆勘違いしやすい「マスク蒸れ=肌の水分量」。“うるおい勘違い”をしている人が約6割も存在。

◆マスク下で混合肌が増加!? “うるおい勘違い”が、混合肌悩みの深刻化を生んでいる!?

◆夏の保湿をおろそかにすると、肌トラブルが深刻化する可能性も。

◆マスクによる肌の悩みNo.1は“マスク蒸れ”。85%以上の人が悩みの種に。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、常態化しているマスクの着用である。そこで、マスク着用による肌の悩みについて聞いたところ、圧倒的に「マスク下に感じる蒸れ」と回答した人が多く、85.7%(非常に感じる+まあ感じる)となった。

勘違いしやすい「マスク蒸れ=肌の水分量」、マスク下がインナードライ肌である可能性も。

 調査でも、昨年より今年の方が、「肌力が低下していると感じ、マスクによる肌悩みを抱えている人が多い」という結果が出ているが、竹中氏のクリニックでも昨年よりマスクトラブルで受診する患者が増えている。
 同クリニックでは、日によっては、1日の患者のうち約8割がマスクトラブルで受診することもある。おそらく今年の夏は、昨夏よりもマスクトラブルによる患者が増えるものと考えられる。

 マスクによる肌悩みのNo.1が、「マスク下の蒸れ」となっているが、汗をかくと、毛穴が詰まることによるニキビや吹き出物、あせも、そしてマスクとの接触による皮膚炎が起こりやすくなる。

 だが、「蒸れている=水分が足りている」わけではない。汗が大量に分泌されると、皮脂膜やNMF(天然保湿因子)が汗と一緒に流され、水分が保てず肌内部では乾燥が進み、いわゆるインナードライ肌に偏るケースがある。肌の内側は乾燥していても、表面は熱帯雨林状態だから水分が足りていると考えてしまう“うるおい勘違い”には注意を要する。

 肌にもともと備わっている、保湿成分をつくり、角質層内に水分を蓄えておく肌力。それを構成するのは、「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質」「皮脂膜」の3つの要素である。この3つの要素は、それぞれ角質層の中での役割が異なり、どれも欠かすことができない。

◆ 「マスク蒸れ=肌の水分過剰」は間違い、しかし約6割が“うるおい勘違い”?!

 マスク下の肌の蒸れは、さまざまな肌トラブルにつながりやすくなる。調査対象者に、マスクの蒸れによる肌への影響について聞いてみた。
 その結果、マスク下の蒸れが、皮膚の内側を乾燥させ、インナードライ肌に偏りがちになることはあまり知られておらず、「マスク蒸れで、皮膚の水分量が過剰になっている」という誤った認識を持っている人が、6割近くに及ぶことが明らかになった[グラフQ6-A]。
 さらに、女性の方が“うるおい勘違い”の認識をしている割合が高く、20代~30代の女性は7割に及んだ[グラフQ6-B]。

乾燥と脂っぽさが顔に混在する“混合肌”が増えている可能性も・・・

 やはり“うるおい勘違い”をしている人は多いようだ。しかも、若い女性の方が勘違いが多いことに少し驚いた。肌の内側の水分量は、マスクを外したときなどにも、一気に水分が蒸発する場合もあるので、マスク下の湿度を肌の水分量と思わずに、しっかり毎日のスキンケアで保湿を心掛けてほしい。
 特に、目の周りや頬、口周りは皮膚が薄いため乾燥しやすくなる。一方、皮脂の分泌量が多いTゾーン(おでこ、鼻・鼻筋、あご・フェイスライン)は、ベタつきやすく、毛穴が詰まりやすいため、ニキビや吹き出物ができやすくなる。
 さらに、マスクをしていることで、“うるおい勘違い”が生じて保湿を十分にせず、それが過剰な乾燥と皮脂分泌の部位の混在を生み、バランスが崩れることで、混合肌悩みを深刻化させているのではないかと思われる。

◆マスク下で混合肌が増加?! “うるおい勘違い”が、混合肌悩みの深刻化を生んでいる?!

 調査対象者全員に、昨年と比較して増えた肌悩みについて聞いてみると、Tゾーンのおでこ、鼻・鼻筋で、「顔のベタつきやテカり」に悩む人が顕著に多い傾向にあった。
 マスク下の部位を見ると、頬や口周りの「乾燥やかさつき」「シワやたるみ」の悩みを持つ人が多い一方、「ニキビや吹き出物」ができた人も多く、マスク下で乾燥と脂っぽさが顔に混在する混合肌の人が増えている可能性が示唆された。

 竹中氏は、「“うるおい勘違い”が肌の保湿不足の状態をつくり、バランスが崩れて混合肌悩みを深刻化させる可能性がある」と指摘する。

夏の保湿をおろそかにすると、肌トラブルが深刻化する可能性も。

 すでに多くの人が“混合肌”になっていることが調査結果から伺える。

竹中氏

 夏は、湿度が高いので肌は乾燥しにくいと思われがちだが、実はエアコンや扇風機など涼しさをくれるものは風を伴うため、風が肌に当たり乾燥しやすくなる。
 竹中氏のクリニックでも、乾燥肌に悩んで受診する方は冬に多い。とはいえ実際は夏の患者の方が症状が強く、夏の保湿をおろそかにすれば、知らず知らずのうちに肌の乾燥が進み症状が悪化してしまうケースが多いようだ。

マスク生活では自分が思っている以上に肌が乾燥

 さらに、マスクの蒸れは、毛穴が開きやすくなるため、皮膚の水分蒸散も起こりやすくなる。マスク生活では自分が思っている以上に肌の乾燥が起こっていると考えてほしい。
 また、シミ、特に肝斑は圧迫と摩擦に弱いため、マスク下にシミができたり、目立ってくる可能性があり、マスク蒸れは肌をふやかし、たるみの原因にもなる。
 実際にクリニックの患者でも、シミ、ほうれい線が目立ってきたと悩む方も多く存在する。
 とはいえ、感染拡大防止の観点からもマスクの着用は欠かせない。従って、今年の夏は例年以上に保湿ケアを入念にするとともに、マスクの摩擦や汗の刺激でダメージを受けた肌をいたわり、守るケアを心掛けてほしい。

《2021年「コロナ禍でのマスク着用と肌に関する調査」概要》

・調査対象   : 20~40代の男女

・有効回答数  : 300人

・調査地域   : 全国

・調査時期   : 2021年6月4日(金)~6月7日(水)

・調査手法   : インターネット調査

TOPIC 3 マスクの刺激で深刻化しやすい混合肌を「落とす」「与える」「守る」でケア

 混合肌は、Tゾーンはベタついているのに、頬などが乾燥しているアンバランスな肌質である。第一三共ヘルスケアは、敏感肌の研究を続け、製品を通じて「落とす」「与える」「守る」のケアを提案し続けている。

山崎氏

 ここからは、「ミノン アミノモイスト 敏感肌・混合肌ライン」の開発を担当した研究開発部 開発第二グループの山崎春佳氏が、夏のマスク生活における混合肌の方のスキンケアについて解説する。

《落とす》汚れを落とすときは、刺激に注意。洗い流しは、「落ちたかな」プラス2~3回で。

 マスクを着用していることで汗やベタつきによる汚れを気にする人も多いと思う。汚れをきちんと除去することは大切だが、肌に刺激を与えるような洗浄や拭き取り方は、逆に肌あれにつながりかねないので注意が必要である。

◆Point

・洗顔シートによる摩擦が刺激になることも。汗はハンカチを肌に当てて拭き取る程度に

・洗顔は、ゴシゴシと圧を与えず、よく泡立てた洗顔料を肌にのせ、顔全体を同じ圧で

・洗い流しはしっかりと。「落ちたかな」プラス2~3回の洗い流しがお勧め

《与える》肌あれが、インナードライのサインの可能性も。日中もしっかり保湿ケアを。

 マスクを着用していると、頬を中心にマスクとの接触があり、その刺激によって肌あれが起こり、皮膚の水分が蒸散して肌の乾燥も進みやすくなる。夏は、湿度も高く、さらにマスクの蒸れで乾燥に気付きにくいが、肌あれ、肌のゆらぎといった、いつもと違う状態を感じたら、肌の内側が乾燥したインナードライである可能性がある。

◆Point

・朝と夜の保湿ケアをしっかりと

・日中は、ミストタイプのスプレーで保湿ケア。歯磨きなど、マスクを外すタイミングで習慣化を

《守る》マスクで日焼け止めも落ちがち。日中の塗り直しでしっかりUV対策を。

 これからさらに紫外線が強くなるが、マスクで擦れる部分は日焼け止めも落ちやすく、物理的な刺激で紫外線によるダメージも受けやすくなるので、マスク生活では特に注意が必要である。

◆Point

・朝は、保湿などのスキンケアとともに、日焼け止めを顔全体にしっかりと

・日中は、日焼け止めまたはUVカット機能のある化粧品などを使って塗り直し

・夜は「落とす」「与える」のステップで、ダメージを抑える

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