小野薬品は19日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、頭頸部扁平上皮がんのファーストライン治療としてEXTREMEレジメンと比較評価したP3相CheckMate -651試験で、主要評価項目である全生存期間において肯定的な改善傾向を示したものの統計学的な有意差を示すに至らなかったと発表した。提携先のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が16日に公表したたもの。
CheckMate -651試験は、プラチナ療法に適格な再発または転移性頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)患者のファーストライン治療としてオプジーボとヤーボイの併用療法をEXTREMEレジメン(セツキシマブ + シスプラチン/カルボプラチン + フルオロウラシルと)と比較したP3試験。
オプジーボとヤーボイの併用療法は、combined positive score(CPS)が20以上のPD-L1陽性患者における全生存期間(OS)で明確かつ肯定的な改善傾向を示したが、主要評価項目を達成できなかった。同試験におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに固形腫瘍の試験で報告されたものと一貫していた。
オプジーボの単剤療法は、これまでにプラチナ製剤を含む治療後の再発または転移性SCCHN成人患者を対象としたCheckMate -141試験において生存ベネフィットを示している。
これらの結果に基づき、米国FDAおよび欧州医薬品庁(EMA)は、2016年にこの適応症でオプジーボを承認した。
オプジーボとヤーボイの併用療法は、これまでに非小細胞肺がん、転移性悪性黒色腫、進行期腎細胞がん、悪性胸膜中皮腫、食道扁平上皮がんの5つの異なるがん腫で6つのP3相試験において、OSで有意な改善を示している。
また、全データの評価を完了させ、治験担当医師と協働して今後の医学学会で結果を発表する予定である。
◆BMS胸部がん領域、バイスプレジデント兼開発担当のAbderrahim Oukessou(M.D.)氏のコメント
多くの試験で、オプジーボとヤーボイの併用療法による長期生存ベネフィットがさまざまながん腫で示されており、世界中の患者さんにベネフィットを届けている。
CheckMate -651試験では、これまでのデータに基づいて予想していた以上の良好な効果が対照群で認められたにもかかわらず、オプジーボとヤーボイの併用療法は、EXTREMEと比較して、PD-L1陽性の頭頸部扁平上皮がん患者で全生存期間の肯定的な改善傾向を示した。
これらの結果において統計学的な有意差を示すに至らなかったことは残念ではあるが、今後も研究促進に取り組み、この治療困難ながん患者さんの支援に尽力していく。