塩野義製薬は16日、オンコセラピー・サイエンス(OTS社)から導入したがん特異的ペプチドワクチンS-588410について、食道がん患者を対象としたP3相臨床試験で、主要評価項目である無再発生存期間(RFS)の延長を達成できなかったと発表した。
同試験は、食道がん患者を対象にS-588410の術後補助療法としての有効性を検証することを目的としたP3相プラセボ対照二重盲検無作為化比較試験である。がんが再発するまでの期間であるRFSを主要評価項目として評価した結果、S-588410群とプラセボ群との間でRFSの有意な差は認められなかった。
副次評価項目のひとつである細胞傷害性Tリンパ球(CTL)誘導に関してはS-588410投与により高い誘導率が確認された。また、主な副作用は注射部位の皮膚反応であり、重篤な皮膚反応は認められなかった。
同試験結果ならびに種々の追加解析の結果を踏まえ、塩野義製薬はS-588410の今後の開発方針について、OTS社と協議の上で決定する。
なお、同件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響は軽微である。