アッヴィは9日、経口投与の選択的かつ可逆的なJAK阻害剤であるウパダシチニブについて、アトピー性皮膚炎の治療薬として欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(CHMP)が承認を推奨したと発表した。
CHMPが推奨したのは、全身療法の対象となる中等症から重症のアトピー性皮膚炎成人患者(15 mgまたは30 mg、1日1回)および12歳以上の青少年患者(15 mg、1日1回)への適応拡大の承認。
ウパダシチニブは、複数の免疫関連炎症性疾患を対象に試験が行われている。
CHMPの承認を推奨する肯定的見解は、中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者2500人以上を対象に実施した3つのP3相国際共同ピボタル試験(Measure Up 1、Measure Up 2およびAD Up)のデータに裏付けられたもの。
3つの試験において、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者を対象に、ウパダシチニブはいずれの用量もすべての主要評価項目と副次評価項目を達成し、16週時およびその他の時点でプラセボと比較して迅速かつ有意な皮膚症状の改善とかゆみの軽減が認められた(p<0.001)。
ウパダシチニブを投与された患者において最も多く報告された有害事象は、ざ瘡、上咽頭炎、上気道感染であった。
CHMPの肯定的見解は、EUにおいて製造販売を承認する欧州委員会に対する本承認の科学的推奨となるものである。同製造販売承認は、EUの全加盟国、ならびにアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーおよび北アイルランドで有効となる。
承認された場合、ウパダシチニブは4つ目の適応症を得るとともに、EUにおいて、中等症から重症の成人および12歳以上の青少年のアトピー性皮膚炎患者の治療薬として使用される初めてのJAK阻害剤となる。
アッヴィバイスチェアマン兼プレジデントのマイケル・セヴェリーノ氏(M.D.)のコメント
今回のCHMPの見解は、アトピー性皮膚炎とともに生きる患者さんの治療を向上させるという私たちの道のりにおける重要な一歩である。
使用可能な治療法があるにもかかわらず、中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者さんの多くは、今も皮膚症状やかゆみの症状による負担に継続的にさらされている。
我々は、ウパダシチニブがこのような患者さんに対する新たな治療選択肢となる可能性があることがCHMPに認められたことを心強く思う。