オプジーボとヤーボイの併用療法 進行大腸がんの治療薬として欧州委員会が承認

 小野薬品は30日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、進行大腸がんの治療薬として欧州委員会(EC)の承認を取得したと発表した。対象は、フルオロピリミジンを含む併用化学療法後のミスマッチ修復機構欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の進行大腸がん(mCRC)の成人患者。提携するブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が29日に公表したもの。
 ECの決定は、オプジーボとヤーボイの併用療法が、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療を受けたMSI-HまたはdMMRのmCRC患者で臨床的に意義のある奏効率(ORR)の改善を示したP2相CheckMate -142試験のデータに基づいている。オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、他のがん腫における併用療法でこれまでに報告されている試験のものと一貫していた。
 オプジーボとヤーボイの併用療法は、EUで最初に承認された消化器がんに対する免疫療法薬の2剤併用療法による治療選択肢になる。この併用療法は、非小細胞肺がんおよび腎細胞がんについてもEUで承認されている。
 今回の販売承認により、すべてのEU加盟国、ノルウェー、アイスランドおよびリヒテンシュタインで、オプジーボとヤーボイの併用療法が認められることになる。
 オプジーボとヤーボイの併用療法は、2018年7月、フルオロピリミジン、オキサリプラチンおよびイリノテカンによる治療後に病勢進行したMSI-HまたはdMMRのmCRCの成人および小児(12歳以上)患者の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)により承認された。
 日本においても、2020年9月、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発のMSI-Hを有する結腸・直腸がんの治療薬として、厚生労働省(MHLW)により承認された。  

◆BMS消化器がん領域開発責任者のIan M. Waxman(M.D.)氏のコメント
 進行大腸がんは、予後不良な悪性度の高いがんで、標準的な化学療法を上回るさらなる治療選択肢が患者さんには必要とされている。今回の承認により、EUにおいてミスマッチ修復欠損症または高頻度マイクロサテライト不安定性の進行大腸がん患者さんは、最初の免疫療法薬の2剤併用療法を受けることができるようになる。この合理的な併用療法を推進するために、ステークホルダーの皆様と協力していく。

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