アストラゼネカは7日、Anifrolumabについて、P3相TULIP試験で全身性エリテマトーデス患者の皮膚及び関節に対して、異なる疾患活動性評価指標でベネフィットが示されたと発表した。
欧州リウマチ学会年次総会(EULAR2021)において発表されたP3相TULIP試験の統合解析データの新たな事後解析結果により、anifrolumab投与群が中等症から重症の全身性エリテマトーデス(SLE)患者において、プラセボ投与群との比較で3つの異なる疾患活動性評価指標で皮膚症状および関節炎を一貫して改善したことが示された。
同解析は、SLEにより最も影響を受ける2つの器官での症状について検討した。
Anifrolumabは、ファースト・イン・クラスの1型インターフェロン阻害剤である。皮膚症状に関し、52 週時点でのaifrolumab投与群とプラセボ投与群の奏効率の差はSLE Disease Activity Index(SLEDAI)で13%、British Isles Lupus Assessment Group Index (BILAG)で 15.5%、および改訂Cutaneous Lupus Erythematosus Disease Area(mCLASI)で 15.6%であった。
関節炎に関し、奏効率の差は、SLEDAIで8.2%、BILAG で11.8%、および関節の改善で 12.6%であった。
TULIP-1試験および TULIP-2試験においてanifrolumabに関する最も高頻度に報告された有害事象としては、上気道感染症、気管支炎、点滴関連事象および帯状疱疹が挙げられる。
アストラゼネカによるSLEを適応とする anifrolumabの承認申請は、米国、EU および日本の規制当局により現在審査中である。Anifrolumab が現在承認されている国はない。
◆米国の関節炎および臨床免疫学研究プログラムのオクラホマメディカルリサーチ財団 Joan Merrill氏のコメント
関節炎および皮膚症状はループスに最もよく見られる持続性の症状であり、多くの場合患者さんの生活に大きな影響を及ぼす。
本解析のデータの強みは、皮膚症状と関節炎に関しては3つの異なる評価方法で検討したが、一貫してanifrolumabが有効性を示したことである。改善を複合的に捉えたことで、anifrolumab が患者さんにとって重要な選択肢となり得るかもしれないとの確信が高まった。
◆バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントのMene Pangalos氏のコメント
EULAR で発表されたデータは、anifrolumab がこの消耗性の疾患に対する大きなアンメットニーズを満たす可能性を示す説得力のある臨床プロファイルを示している。
全世界的には、10年以上SLEに対する新薬は承認されていない状況で、当社は、1日も早く、この新たな治療薬を提供できるよう取り組んでいる。