オプジーボ・ヤーボイの併用療法 ECが悪性胸膜中皮腫一次治療薬として承認  小野薬品

 小野薬品は3日、オプジーボとヤーボイの併用療法について、欧州委員会(EC)が、切除不能な悪性胸膜中皮腫(MPM)の成人患者のファーストライン治療薬として承認したと発表した。提携先のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が2日に公表したもの。
 ECの決定により、欧州連合(EU)の27加盟国およびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーにおいて、ファーストラインの切除不能なMPMに対するオプジーボとヤーボイの併用療法の使用が認められる。
 EUに加え、同併用療法は、米国を含む6カ国で承認されており、世界の保健当局によりさらなる申請に対する審査が進められている。
 ECの決定は、ファーストラインのMPMを対象とした最初で唯一の免疫療法薬のP3相CheckMate-743試験の肯定的な結果に基づくもの。
 同試験では、オプジーボとヤーボイの併用療法が、化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較して、全無作為化患者で良好な全生存期間(OS)の延長を示し、主要評価項目を達成した。
 ファーストラインのMPM治療におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、設定された有害事象管理プロトコルによって管理可能であり、他のがん腫における併用療法のこれまでの試験のものと一貫していた。

 ◆ランダがん研究所およびライデン大学胸部腫瘍科Paul Baas氏(M.D.、Ph.D.)のコメント
 長年、悪性中皮腫の治療における進展は限定的なものであったが、CheckMate -743試験では、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を受けた患者さんで重要な臨床ベネフィットが示された。
 欧州委員会がこの免疫療法薬の2剤併用療法を承認したことで、患者さんと医師は、この困難な疾患の管理において、生存期間の有意な改善を示した新しい治療選択肢を利用できるようになる。

 ◆Stefania Vallone欧州対肺がん女性連合(Women Against Lung Cancer in Europe)理事のコメント
 悪性胸膜中皮腫は、診断された患者さんとその家族に大変な苦痛をもたらす。欧州では、中皮腫の発症率が世界で最も高く、全土に大きな影響が及んでいる。
 中皮腫は、アスベストの曝露から数十年後に見つかる場合が多く、患者さんは、長年にわたりほとんど治療選択肢がないまま、この悪性度の高いがんに直面してきた。患者さんとその家族に延命の希望をもたらす可能性のある新しい治療法が承認され、うれしく思う。欧州全国で一日も早くご使用いただけることを願っている。

 ◆Abderrahim OukessouBMS胸部がん領域開発担当バイスプレジデント(M.D.)のコメント
 欧州委員会によるオプジーボとヤーボイの併用療法の承認は、悪性胸膜中皮腫患者さんのアンメットニーズに対処するための重大な一歩である。
 CheckMate-743試験において、この免疫療法薬の2剤併用療法は、標準治療と比較して臨床的に意義のある生存期間の改善を示し、2年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で41%であったのに対し、化学療法群ではわずか27%であった。
 当社は、CheckMate -743試験において欠くことのできない貢献をいただいた患者さんおよび治験担当医師に感謝の意を表明したい。

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