田辺三菱製薬は1日、視神経脊髄炎スペクトラム障害治療「ユプリズナ点滴静注100mg」(一般名:イネビリズマブ(遺伝子組換え)を同日、新発売したと発表した。ヒト化抗CD19モノクローナル抗体同剤は、「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を適応症と
して本年3月23日に製造販売承認を取得し、5月19日に薬価収載されたもの。
ユプリズナは、新規メカニズムによるNMOSD治療薬であり、また投与間隔が半年に1回という利便性から、患者の生活様式にあわせた治療を可能とし、再発予防期のNMOSD患者に新たな治療選択肢として期待される。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD:Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder)は、重度の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患で、再発を繰り返し、1回の再発で失明や車椅子生活に至る場合もある。
ユプリズナは、抗体を産生する形質芽細胞や形質細胞を含むB細胞に発現するCD19というタンパク質に結合し、CD19陽性B細胞を循環血液中から速やかに除去することで、NMOSDの再発を予防する。
NMOSD患者を対象とした日本を含むグローバル臨床試験において、ユプリズナ投与により、主要評価項目である再発抑制効果が確認された。
なお、米国では2020年6月11日に「UPLIZNA」の製品名で、NMOSDの適応で承認されている。また、現在NMOSDに続く効能として、重症筋無力症およびIgG4関連疾患について、ホライゾン・セラピューティクス社と共同で日本を含むグローバルP3臨床試験を実施している。