アストラゼネは28日、7月1日付けで、アッヴィ合同会社より抗 RS ウイルスヒト化モノクローナル抗体製剤「シナジス」に関する国内における製造販売承認の承継及び販売移管を行うと発表した。
シナジスは、ハイリスク患者におけるRSウイルス感染による重篤な下気道疾患の発症抑制のため日本で承認された唯一の薬剤である。
同合意は、グローバルにおけるライセンス契約の期間満了に伴い、日本を含む米国以外の70を超える国で、シナジスの製造販売権がアッヴィからアストラゼネカに返還されることに基づくもの。
これにより、日本においては、7月1日よりアストラゼネカがシナジスの流通・販売および情報提供・収集活動を行う。
シナジスの適応疾患であるRSウイルスは、2歳までにほとんどの赤ちゃんが感染すると言われているウイルスで、乳幼児の下気道感染症による入院の主な原因になっている。
重症のRS ウイルス感染は、特に早産児、気管支肺異形成症(BPD)等の慢性呼吸器疾患を有する乳児でみられ、また血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)を有する乳幼児においても重症化し、これらの乳幼児におけるRSウイルス感染はしばしば致死的な経過をたどる。
だが、RSウイルス感染症に対する明確な治療法は確立されておらず、対症療法のみ行われているのが現状だ。