ニンラーロ 多発性骨髄腫の適応追加承認取得  武田薬品

 武田薬品は27日、ニンラーロについて、多発性骨髄腫に対する初回治療後の維持療法の適応追加承認を厚労省より取得したと発表した。適応症は、幹細胞移植歴のない多発性骨髄腫に対する初回治療後の維持療法。
 今回の承認は、主に、ランダム化プラセボ対照二重盲検多施設共同国際臨床P3験であるTOURMALINE-MM4試験結果に基づくもの。同試験では、幹細胞移植歴のない成人の多発性骨髄腫患者を対象に無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目として、同剤がPFSを統計学的に有意に改善することが確認された。
 ニンラーロの維持療法における安全性プロファイルは、単剤療法における既知の安全性プロファイルと同様であり、TOURMALINE-MM4試験で新たな懸念は確認されなかった。
 ニンラーロは、「再発又は難治性の多発性骨髄腫」の効能効果で、2017年3月に厚生労働省より製造販売承認を取得し、2017年5月24日から発売している。
 また、2020年3月25日に「多発性骨髄腫における自家造血幹細胞移植後の維持療法」に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得した。

 ◆TOURMALINE-MM4試験治験参加施設責任医師の飯田真介(名古屋市立大学病院 血液・腫瘍内科)のコメント
 TOURMALINE-MM4試験によって、経口プロテアソーム阻害薬であるニンラーロの維持療法が、移植非適応の多発性骨髄腫患者に対して進行と死亡のリスクを34%減少させることが示された。
 ニンラーロの維持療法は、高齢患者にも忍容性があり、二次発がんリスクの増加は認められておらず、臨床病期や初回寛解導入療法の種類などに関わらず再発を遅らせることが期待できる治療選択の一つとなるだろう。

 ◆堀井貴史氏(武田薬品日本オンコロジー事業部長)のコメント
 ニンラーロの従来からの効能である自家造血幹細胞移植後の維持療法に加えて、幹細胞移植歴のない初回治療後の維持療法も追加となり、より幅広い患者さんに本剤を提供できるようになった。
 日本で多発性骨髄腫における維持療法の効能を有する治療剤は他になく、医療関係者の皆様への情報提供を通じて、この新たな治療法を必要とする患者さんに届けられるように取り組んでいく。

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