ヴァイトラックビ TRK融合がんの3臨床試験で癌種・年齢問わず4年超の持続的臨床効果を確認 バイエル

 バイエル薬品は25日、がん患者の個別化治療薬のヴァイトラックビ(一般名:ラロトレクチニブ硫酸塩)について、3つの臨床試験長期データから、TRK融合がん患者において、癌腫や年齢にかかわらず 4年を超える持続的な臨床的効果を確認したと発表した。
 4つの個別解析から得られた新規データによって、癌患者の個別化治療薬であるラロトレクチニブの迅速かつ持続的な奏効および良好な安全性プロファイルを含め、複数の癌腫においてTRK融合を有するあらゆる年齢層(生後 1 か月~84 歳)の患者における堅牢な長期的臨床プロファイルが確認された。
 解析の対象には、CNS 転移を有する TRK 融合を有する固形腫瘍、TRK 融合を有する原発性 CNS 腫瘍および肺癌における最新の長期有効性および安全性データが含まれている。
 さらに、患者内比較を行ったレトロスペクティブな統合解析では、TRK融合を有する癌患者の大半がラロトレクチニブの投与によって意義のある臨床的効果が得られたことを示している。
 統合データセットのデータは、TRK融合を有する成人および小児癌患者を対象としたラロトレクチニブの3 つの臨床試験(NCT02122913 試験、NCT02576431 試験および NCT02637687 試験)データから集積したもの。CNS 原発腫瘍患者サブセットはこの解析の対象に含まれない。
 ラロトレクチニブは、TRK 阻害剤の中でも最大規模のデータセットと、フォローアップ期間中央値 22.3 ヵ月という最長のフォローアップ期間、TRK 融合を有する複数の癌腫のあらゆる年齢層の患者において、一貫して高い奏効率と奏効持続性(4 年以上にわたる奏効期間)を示している。
 21種類にわたるさまざまな癌腫のTRK融合を有する206名の評価可能な成人および小児患者における、長期のフォローアップ期間(データカットオフ日:2020 年 7 月 20 日)のデータセットでは、治験責任医師の評価による全奏効率(ORR)は、75%(95% 信頼区間[CI]:68-81)であった(完全奏効率は 22%(n=45))。
 脳転移を有する評価可能な患者(n=15)では、ORR は 73%(95% CI:45-92)であった。すべての評価可能な患者のうち、フォローアップ期間中央値 22.3ヵ月で、奏効期間(DoR)は中央値 49.3 ヵ月(95% CI:27.3-評価不能[NE])であった。
 フォローアップ期間中央値20.3ヵ月で、無増悪生存期間(PFS)は中央値 35.4 ヵ月(95% CI:23.4-55.7)であった。フォローアップ期間中央値 22.3ヵ月で、全生存率(OS)の中央値は未達、36 ヵ月時点で OS は 77%(95% CI:69-84)であった。
 安全性プロファイルは、これまでに報告された全安全性解析対象集団の内容と一致しており、新たな傾向は確認されなかった。報告された治療関連有害事象(TRAE)の大半は、主にグレード1または2であり、患者の18%がグレード3または4の TRAE を報告した。
 TRAE によりラロトレクチニブの投与を中止した患者は 2%であり、治療に関連した死亡は報告されなかった。
 これらの結果は、6月4~8日にオンラインで開催される 2021年米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)年次総会で発表される。

 ◆MD Anderson Cancer Center Investigational Cancer Therapeutics部 David S. Hong 教授のコメント
 腫瘍が、NTRK遺伝子融合を有する成人および小児の癌患者において、ラロトレクチニブが効果的な治療であることを支持するデータが蓄積されている。
 これらの結果は、癌患者がドライバー遺伝子異常をより深く知り、遺伝子異常にあった治療を受けるため、NTRK 1/2/3 遺伝子を含めた堅牢で包括的ゲノム検査を実施する明確な根拠となる。

 ◆ドイツ・バイエル社シニア・バイス・プレジデント、医療用医薬品部門オンコロジー開発責任者のスコット・フィールズ氏のコメント
 ラロトレクチニブは、TRK融合癌の治療に特化してデザインされ、体内の発生部位にかかわらず癌の広がりおよび増殖を促進する発癌性ドライバーを阻害し、TRK 融合を有する成人および小児癌患者の両方の治療に意義ある進歩をもたらしている。
 これらのデータは、TRK 融合を有する癌患者において、ラロトレクチニブが有効かつ忍容性の良好な、長期的な治療選択肢であることを示しており、患者や医師にとって真に有益な価値を提供しつつ、将来にわたって癌治療を向上させるという当社のコミットメントを示すものである。
 

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