小野薬品は21日、オプジーボについて、FDAが食道がん・胃食道接合部がんの術後補助療法とし承認したと発表した。適応症は、術前補助化学放射線療法(CRT)を受け病理学的残存病変を認めた完全切除後の食道がんまたは胃食道接合部(GEJ)がんの術後補助療法。提携先のブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)が20日に発表したもの。
この承認は、術前補助CRTおよび完全切除後に病理学的残存病変を認めた食道がんまたはGEJがん患者を対象に、オプジーボ(532例)とプラセボ(262例)を比較評価したP3相CheckMate-577試験結果に基づくもの。
同試験において、オプジーボ群の無病生存期間(DFS)の中央値は、プラセボ群と比較して2倍延長された [オプジーボ群:22.4カ月; 95%信頼区間(CI):16.6 – 34.0 vs プラセボ群:11.0カ月;95% CI:8.3 – 14.3]。
オプジーボ群は、プラセボ群と比較して、再発または死亡リスクを31%低減しました [ハザード比(HR)0.69;95% CI:0.56 – 0.85;P=0.0003]。探索的解析において、腺がん患者(563例、70.9%)でのDFSの中央値は、オプジーボ群で19.4カ月(95% CI:15.9 – 29.4)、プラセボ群で11.1カ月(95% CI:8.3 – 16.8)であった(非層別HR 0.75;95% CI:0.59 – 0.96)。
扁平上皮がん患者(230例、29%)でのDFSの中央値は、オプジーボ群で29.7カ月(95% CI:14.4 – NE)、プラセボ群で11.0カ月(95% CI:7.6 – 17.8)であった(非層別HR 0.61;95% CI:0.42 – 0.88)3。
今回の申請は、一刻も早く安全かつ有効な治療を患者に届けることを目的とするFDAのリアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)パイロットプログラムの下で審査された。
同審査は、オーストラリア、カナダおよびスイスの保健当局による同時審査が可能であるFDAのProject Orbisイニシアチブの下でも実施された。
◆ベイラー大学医学センター、Baylor Scott & White Charles A. Sammonsがんセンター長、W.W. Caruth Jr. Endowed Chair of ImmunologyのRonan J. Kelly氏(M.D.、MBA)のコメント
局所進行性食道がんおよび胃食道接合部がんは悪性度の高いがん腫であり、多くの場合、化学療法、放射線療法、手術を含む複数の治療アプローチを必要とする。
術前補助CRTと手術の後でさえ、病理学的完全奏効を達成しなかった患者では再発リスクが高い場合がある。CheckMate-577試験でオプジーボは、プラセボと比較して、無病生存期間の中央値を2倍に延長し、オプジーボがこれらの患者にとって新しい標準治療になる可能性が示唆さた。これは喜ばしいニュースであり、新たな希望をもたらしてくれる。
◆BMS心血管疾患・免疫疾患・がん担当米国シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのAdam Lenkowsky氏のコメント
術前補助CRT後に完全切除し、病理学的残存病変が認められた食道がんおよび胃食道接合部がんの患者は、再発の高いリスクに直面する。
だが、これらの患者に対する主な治療選択肢は、サーベイランスである。今回の承認は、患者にとって重要な一歩であると同時に、再発リスクを低減できる可能性のあるがんの早期ステージを対象に、免疫療法による治療選択肢を開発する我々のコミットメントにおいても意義のある進展である。