武田薬品は10日、日本におけるモデルナ社の新型コロナmRNAワクチン(TAK-919)の安全性および免疫原性を評価する国内P1/2相試験の結果を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出したと発表した。
この試験結果は、武田薬品の日本における同ワクチンの製造販売承認申請の根拠となるもの。武田薬品は、モデルナ社ならびに厚生労働省(MHLW)の三者間の合意により、同ワクチンの5000万回接種分を輸入し供給する。
同試験結果では、28日間の間隔で同ワクチン0.5 mLを2回接種した被験者の100%に、結合抗体と中和抗体の上昇が同ワクチンの2回目接種28日後に確認できたことが示された。重大な安全性の懸念は報告されず、忍容性は概ね良好であった。
同試験結果は、本年3月に提出された同ワクチンの製造販売承認申請の一部として評価するため、医薬品医療機器総合機構に提出された。申請資料には、モデルナ社が米国において実施中のP3試験(COVE試験)の安全性と有効性の結果も含まれている。武田薬品では、製造販売承認取得後、すみやかに本ワクチンの供給開始を目指している。
なお、同社は、厚労省ならびに日本医療研究開発機構(AMED)より、モデルナ社ならびに ノババックス社が開発中の新型コロナウイルス感染症ワクチンを日本国内において開発・供給するための助成を受けている。
◆今川昌之武田薬品日本ワクチン事業部事業部長のコメント
今回の試験結果は、これまでに報告されたモデルナ社の臨床試験からの研究結果を裏付けるものであり、この新型コロナウイルス感染症ワクチンが新型コロナウイルスから人々を守る可能性を示唆している。
モデルナ社の新型コロナワクチンは、既に世界中の国々で投与されており、規制当局と協働しながら、日本の皆様に安全性と有効性が証明されたワクチンの選択肢を提供する機会が得られた。
承認された新型コロナウイルス感染症ワクチンによってパンデミックが終息に近づき、より安全で健康な世界がもたらされるものと思われる。