カボテグラビル HIV感染予防におけるFDAへのローリング・サブミッション開始  塩野義製薬

 塩野義製薬は7日、グラクソスミスクライン(GSK)およびファイザーとともに資本参加しているヴィーブ社が、長期作用型注射剤カボテグラビルのHIV感染予防に対する使用に関してFDAへの新薬承認申請のローリング・サブミッション(段階的申請)を開始したと発表した。
 カボテグラビルは、HIV感染予防効果を検証するHPTN083試験の良好な結果をもとに2020年11月にFDAよりブレイクスルーセラピーの指定を受けており、申請に際してローリング・サブミッションが可能となっている。
 ローリング・サブミッションにより、ヴィーブ社は申請資料を段階的にFDAに提出し、FDAは全データの提出を待たずに提出されたデータから順次審査の推進が可能となるため、承認までの期間の短縮が期待される。
 ヴィーブ社は、HPTN 083試験およびHPTN 084試験の結果をもとに米国での承認申請を進めるとともに、今年末までにグローバルでの承認申請の開始を計画しており、まずは両試験の実施国への申請に注力する予定だ。
 HIV感染症は、今なお国際社会における大きな課題である。2019年末時点において推定3800万人がHIVに感染しており、年間170万人が新たにHIVに感染している。
 塩野義製薬は、ヴィーブ社の株主として、世界中の皆さまにより良いHIV感染症の治療および予防の選択肢が提供されることを期待するとともに、今後もヴィーブ社の経営に参画することで、HIV感染症治療や予防におけるドルテグラビルおよびカボテグラビルの価値最大化に貢献していく。
 なお、同件が2022年3月期の連結業績予想に与える影響については現時点では未定だが、今後の状況の変化により、業績に与える影響を認識した時点で速やかに公表する。

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