大阪府薬剤師連盟評議員会に参加した日本薬剤師連盟組織内統一候補の神谷まさゆき氏と山本信夫日本薬剤師連盟会長(日本薬剤師会会長)は、医薬通信社の取材に応じ、来年夏に控えた参議院選挙に向けて抱負を語った。
神谷氏が現職の藤井もとゆき参議院議員の後任として立候補した経緯について山本氏は、「藤井議員は、2016年に当選した時から次回の選挙には立候補しないと公言されていた。そこで、新しい候補を立てようということになり、公募の中から神谷氏を選出した」と説明する。
その後、昨年3月から、次期参議院選挙に向けて神谷氏が地方行脚のスタートを切ろうとした矢先にコロナ禍となり、全く動きが取れない状態で今日まで至っている。
「東京も関西も、新型コロナ感染症が拡大して状況が良くない中で、神谷候補が全国を移動する問題が指摘されおり、WebやSNSを使っての選挙運動を余儀なくされている」と現況報告する山本氏。
とはいえ、「実際にお目に掛かれる日が来た時には、是非全国を回って実際に神谷候補の“人となり”や、“政策”を理解していただくことが最も好ましいと考えている」と明言する。
神谷候補の人なりについては、「まだまだ若く(42歳)、世間ずれしていないため、“薬剤師の代表として頑張る”という気概に満ち溢れている」と称賛し、「是非、国政に送って頂きたい」と訴えかける。
「かみや」の頭文字で構成した「かがやく、みらいの、やくぎょうかい」をキャッチフレーズとする日本薬剤師連盟組織内統一候補の神谷氏は、1979年に愛知県豊橋市で生れた。薬局と住まいが一体となった環境の中で生れ育った根っからの薬局薬剤師だ。
「物心ついた時から、一般用医薬品に囲まれて、薬剤師として働く父親の背中を見て育った」と幼児期を振り返る。「体調に何か異変があれば、父が選んでくれた薬で治した」経験も多く、「自然と薬剤師の仕事にあこがれを持った」
加えて、「地域住民の皆さんに頼られる父の姿を見て、迷うことなく薬学部を志した」2002年3月、福山大学薬学部卒業後、エーザイに入社し、3年間MRを経験した。大阪での勤務経験もあり、道修町にも造詣が深い。
その後、家業の「ドラッグストアー・カミヤ」を継ぎ、薬局経営者、薬局薬剤師として10数年間鍛錬を積んだ。地元の豊橋市で薬局薬剤師として活躍する傍ら、日本薬剤師連盟の企画実行委員会に所属し、2016年の藤井選挙、2019年の本田選挙に関与した。
その時、「政治が薬剤師のあり方に強く影響していることを間近で実感した」経験が、「是非現場出身の薬剤師として、現場の薬剤師の思いを、現場の薬剤師の言葉で国政に伝えたい」という気持ちを駆り立てた。神谷氏は、その強い思いを実現するため、日本薬剤師連盟組織内候補の公募に応募し、同候補に選出された。
神谷候補は、「かかりつけ薬局・薬剤師がもっと国民に認知される」ことの重要性を訴えかける。そのためには、「かかりつけ薬局・薬剤師のたくさんの優れた事例を集めて、国民に啓発する必要がある」と断言する。
その一例として、コロナ禍の中、全国各地の自治体から地域薬剤師会に、新型コロナワクチン集団接種時のワクチン希釈・充填などに関する業務依頼が来ていることを指摘し、「薬剤師への期待の大きさを実感している」と話す。
また、特に昨年から、新型コロナウイルス感染拡大により「セルフメディケーションを活用する人が増えてきた」と分析し、「身近な専門家に相談したいという一般市民のニーズをしっかりと受け止められるのは、かかりつけ薬局・薬剤師である」と言い切る。
その上で、「国民に、かかりつけ薬局・薬剤師をしっかりと理解してもらい、それによる真の医薬分業をしっかりと実現していきたい」と再度強調する。
神谷氏は、社会保障制度にも言及し、「特に、国民皆保険の堅持は重要である。そのためには、かかりつけ薬局・薬剤師を活用して社会保障費の増大を抑制し、医療の質を上げていかねばならない」と明言する。
さらに、今回のコロナ禍で、「国産のワクチン開発も含めた優れた医薬品を開発するための環境整備と、それらをしっかり安定供給する体制構築の課題が浮き彫りになった」と断言し、「是非、国政の場で、これらの課題に取り組ませてほしい」と全国の有権者に呼びかける。
一方、大阪府薬剤師連盟の尾島博司会長は、「一昨年、日本薬剤師連盟組織内候補として神谷氏を選出した時は、私も日薬連盟副会長として携わった。当時、少し線が細いなあという印象を持っていたが、今では非常に頼もしくなった」と明かす。
その上で、「神谷候補は、生粋の薬局薬剤師なので、我々にとって最も身近な存在である。真面目かつ前向きな性格で、話も分かりやすく説得力もある」と人柄を紹介し、「薬剤師がより良い医療を提供し、国民がより良い医療を受けるために真剣に取り組むことのできる好青年である。是非、皆さんの力で国会に送り出してほしい」と力を込める。
大阪府薬剤師連盟の山岡信也幹事長は、「あまり政治に興味を示さない薬剤師は少なくないが、大阪府薬剤師連盟を神谷候補を必ず当選させる強い組織にしたい」と抱負を述べた。
さらに、「5月11日より神谷候補は大阪で関係各位を回る予定であったが、11日まで緊急事態宣言が続くため、12日から回り始められるように準備したい」と今後のスケジュールを示した。