小野薬品は14日、オプジーボについて、原発不明がんに対する効能追加申請を行ったと発表した。
オプジーボは、厚労省より、本年3月11日、原発不明がんを効能又は効果とする希少疾病用医薬品の指定を受け、優先審査の対象となっている。
今回の承認申請は、近畿大学病院の主導の下、原発不明がんを対象にオプジーボを評価した医師主導治験(NivoCUP試験)の結果に基づくもの。同試験において、主要評価項目である化学療法既治療例における奏効率(中央判定)は22.2%(95%信頼区間:11.2-37.1)で、信頼区間の下限値が事前に設定した閾値奏効率5%を超えたため、同試験の主要評価項目を達成した。
また、治療歴を問わない全体集団における奏効率(中央判定)は21.4%(95%信頼区間:11.6-34.4)で、治療歴を問わずオプジーボの抗腫瘍効果が示された。
原発不明がんは、十分な検索にも関わらず原発巣が不明で、組織学的に転移巣と判明している悪性腫瘍と定義されている。診断時に既に進行・転移している病態であり、複数臓器に転移が認められる患者が全体の半数以上を占め、生存期間の中央値は6~9カ月、5年生存率は2~6%と極めて予後が悪く、生命に重大な影響がある重篤な疾患とされている。
原発不明がんの国内の患者数は、約3000~1万3680人と推定されており、推定される原発巣に準じた特異的な治療の適応となる予後良好群と、治療法が確立されていない予後不良群(原発不明がんの80%)に大別される。
予後不良群に対する治療は、薬物療法が主体となるが、原発不明がんに対して国内外で承認された薬剤はなく、標準治療が未だ確立されていないため、薬剤の開発が切望されている。