新型コロナ治療薬候補の高度免疫グロブリン製剤 P3試験で評価項目達成せず  武田薬品

 武田薬品は2日、CoVIg-19アライアンスが開発中の新型コロナ感染症治療薬候補の高度免疫グロブリン製剤について、P3相試験で評価項目を達成しなかったと発表した。なお、安全性の重大な懸念は、認められなかった。
 同試験は、重篤化リスクのある成人の新型コロナ感染症入院患者に対して、抗コロナウイルス高度免疫グロブリン製剤(H-Ig)を、レムデシビルを含む標準治療に追加投与した際の、疾患進行のリスク低減評価を目的に実施されたもの。
 現在も解析は継続中であり、NIAIDおよびINSIGHT Networkは、試験の詳細結果を近く発表する予定。
 ITAC試験の結果を受けて、CoVIg-19 アライアンスの取り組みは終了する。世界中の組織が参加したこの1年間の協働の取り組みにより、製薬企業内外の関係を強化し、科学的根拠と必要性に基づいた実用的な規制に向けて新たな視点が得られた。
 さらに、緊急の公衆衛生上のニーズに対処するための今後の協力の機会に向けて、明確に定義され、かつ、法的に準拠した枠組みが提供された。
 CSL Behring のExecutive Vice President, Head of Research and Development and Chief Medical Officer で CoVIg-19 アライアンスの共同リーダーのBill Mezzanotte氏のコメント:今回の試験結果は残念なものであったが、この研究に業界として自発的に取り組み、協力して推進したこと、そしてこのプログラムが、この難しいウイルスに対する理解や、患者さんの治療への理解を深めることに貢献できたことを誇りに思う。
 この開発プログラムに着手して以来、そしてパンデミックを通じて、私たちは科学的研究から多くのことを学んだ。重要な学びは、私たちは製薬企業として、人々の健康のために迅速に協力する不屈の精神と能力を有しているということである。
 武田薬品Plasma-Derived Therapies Business Unit Presidentで、CoVIg-19アライアンス共同リーダーの Julie Kimのコメント:公衆衛生に恩恵をもたらし、複雑な分野での理解を深めることを目的に、各自がリソースを持ち寄り、各々の負担でインフラや血漿に関する専門知識を結集させられたことを誇りに思う。
 この1年間、COVID-19 の解決策となりえる治療薬を開発、製造するための困難な状況の中で、我々をサポートしてくださった製薬企業外の組織を含め、昼夜を問わず取り組んでいただいた皆さんには、非常に感謝している。
 また、我々の研究を可能にするために血漿を進んで提供してくださった COVID-19から回復された方々、快く試験に参加してくださった患者さん、そして我々の取り組みに柔軟な姿勢で支援し協力してくださった規制当局や政府機関にも心からの感謝を申し上げたい。

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