塩野義製薬は1日、2021年度入社式を開催し、手代木功代表取締役社長が祝辞を述べた。祝辞内容は、次の通り。
本日は、98名の新入社員の皆さんと入社式を開催できたことを大変嬉しく思う。
未だ多くの人々に不安を与え続ける新型コロナウイルスを含め、細菌やウイルス等による病気を総称して「感染症」と呼ぶことを、皆さんならご存知だと思う。そして、今回のパンデミックにより世界中の人々がこれほど「感染症」を意識したことは、近年無かったと思われる。
私たちシオノギは、その感染症を強みの領域とする、世界の中でも存在感のある製薬会社である。感染症はいつ、どこで、どのくらいの患者が発生するのか予測が困難な病気のため、販売が安定せず、多くの企業は撤退していった歴史がある。
しかし、新しい薬剤に対抗して細菌やウイルス等が耐性を獲得し永遠に戦い続ける必要があるため、シオノギは、感染症への取り組みを止めるべきではないと考え、今日まで休むことなく続けてきた。
今回のパンデミックを見ても、私たちシオノギは「社会から必要とされる会社」であると確信している。ただし、世の中の変化の動きは速く、専門分野と言っても常に自らを鍛え続けていかなければならない。
先達から受け継いだ143 年の伝統に、皆さんの若い力や新しい発想を積極的に組み入れ、『新たな価値を社会へ提供する Healthcare as a Service「HaaS」企業』たる、次の時代のシオノギを一緒に作っていきたいと思う。
そこで、皆さんにもプロフェッショナルとしての自覚を持 っていただくための3つのメッセージを送りたい。
1つめは、「自分の頭で考え、判断する」ことである。情報化社会と言われるが、世の中にある情報はすべてが正しいわけではない。皆さんには、正確な一次情報を基に自分の頭で考え正しい判断ができるような社会人になって頂きたいと思う。
2つめは、「自らの決定に責任を持つ、他人のせいにしない」ことである。判断の責任は「自分」にあるとはっきりと認識し、一時の感情で判断せず、納得できるまで考えることを求める。
3つめは、「社会人として成長し進化していくためには、コンプライアンスの順守が最も重要である」常に誰から見られても恥ずかしくない、と胸を張って言える言動をお願いする。
最後になるが、皆さんがシオノギの目的である「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という基本方針をグローバルに実現してくれることを期待し、私からの挨拶としたい。