都市部と同レベルの医療受診に期待
NTTドコモは19日、徳島県と本年3月から、5Gとドコモオープンイノベーションクラウドを活用した5G遠隔医療支援システムを徳島県の県立病院に導入すると発表した。同システムは、徳島県立中央病院、三好病院と海部病院の県立3病院に導入される。
5G×ドコモオープンイノベーションクラウドを利用した5G遠隔医療支援システムの医療機関への導入は国内で初めてで、本年度早期の運用開始を予定している。
ドコモオープンイノベーションクラウドは、5G時代に求められる低遅延、高セキュリティなど MEC（Multi‐access Edge Computing）の特長を有するクラウドサービスだ。
5G遠隔医療支援システムは、ドコモオープンイノベーションクラウドによる高セキュリティな閉域網を利用し、医療機器のデータやカメラの高精細映像を高速・大容量の5G通信で、遠隔地にある県立病院間の伝送を可能とする。
5G遠隔医療支援システムは、2020年1月～2月に徳島県立中央病院と海部病院で実施した実証実験の結果や患者・医師の意見を踏まえ、操作性の向上や映像・音声合成などのシステム改善を加えて構築した。
5G遠隔医療支援システムの活用により、例えば診療のため遠隔地へ出向いていた専門医と患者双方の移動時間の軽減や、各地域でも都市部と同等の医療を受けられることが期待される。
また、熟練専門医による医療行為の映像伝送により若手医師への指導、県立総合看護学校と県立病院をつないだ遠隔授業への活用など、将来的にはさらに幅広い活用が見込める。
今後も「とくしまSociety 5.0の実装に向けた連携協定（2020年6月12日締結）」に基づき、徳島県と連携し、県内の医療を担う13病院で構成された「徳島医療コンソーシアム」への導入拡大や、「ドクターカー」への搭載による救急診療・県立病院からの訪問診療への応用も検討される。
今後、ドコモは、5G遠隔医療支援システムの全国への水平展開を進め、地域課題解決を目指す。
5G遠隔医療支援システムの概要や特徴、活用方法は、次の通り。
【概要】
ドコモオープンイノベーションクラウドによる高セキュリティな閉域網を利用し、医療機器のデータやカメラの高精細映像を高速・大容量の5G通信で、遠隔地にある県立病院の間を伝送することが可能となるシステムである。
【特徴】
・5Gと先進のドコモオープンイノベーションクラウドを組み合わせることで、高速・大容量通信とクラウドの高い拡張性・セキュリティを実現
・患者、医師の映像に加え、エコーや心電図・内視鏡等の医療機器データを合成し一画面での送信により医師の負担を軽減
【活用方法】
・高精細映像を活用した糖尿病などの遠隔医療支援
・エコー、心電図、内視鏡等の医療機器画像の送信による遠隔医療支援
・ドクターカーなどへの搭載による救急・訪問医療
