武田薬品は5日、モデルナ社の新型コロナmRNAワクチン(開発コード:TAK-919)を輸入し、日本国内へ供給するため厚労省に製造販売承認申請を行ったと発表した。製造販売承認取得後、2021年前半から5000万回接種分を日本国内において順次供給する予定だ。
日本において現在実施中のプラセボ対照P1/2相試験では、日本人の健康成人200 例を対象にTAK-919 を28日間の間隔で2回接種した際の安全性および免疫原性を評価している。
同試験成績は、5月に揃う予定で、その後、医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出する。申請資料には、モデルナ社が米国において実施中のP3相試験(COVE 試験)の安全性と有効性の成績も含まれている。
今川昌之武田薬品日本ワクチン事業部事業部長は、「当社は新型インフルエンザワクチン整備事業で培ってきた経験を活かし、モデルナ社の新型コロナウイルス感染症ワクチンを一日でも早く国民の皆様に提供できるように努める」と意を強くする。
2020年、日本における新型コロナウイルス感染症ワクチンの迅速かつ安定的な供給のニーズに応えるために、武田薬品は2つの提携を公表した。同社、モデルナ社ならびに厚労省の三者間の合意では、TAK-919 の 5000 万回接種分を輸入し、日本国内に供給することを目的としている。ノババックス社との提携は、日本におけるノババックス社の新型コロナウイルス感染症ワクチン(開発コード:TAK-019)2億5000万回接種分以上の生産能力の整備に基づいた開発、供給に関するものだ。
いずれの場合も、ワクチンが承認されれば、武田薬品が日本における製造販売業者となる。
武田薬品は、厚労省ならびに国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)より、モデルナ社ならびにノババックス社が開発中の新型コロナウイルス感染症ワクチンを日本国内において開発・供給するための助成を受けている。