小野薬品は26日、スタートアップバイオベンチャー企業の育成を支援する民間非営利機関のLabCentral(米国)およびMBC BioLabs(同)とスポンサーシップ契約を締結したと発表した。
LabCentralおよびMBC BioLabsは、全世界の多数の製薬企業およびバイオベンチャー企業の主要な集積地であるケンブリッジおよびサンフランシスコ湾地域をそれぞれ拠点とする。両機関では、研究開発や業務推進のための研究・オフィススペースおよび会社運営や、創薬技術のノウハウ等をスタートアップバイオベンチャー企業に提供している。
これらの施設には様々なバイオ実験等の遂行に必須な共用の研究機器や専用スペースが完備されており、当該施設に入居する企業にとっては、入居と同時にこれらの設備を活用でき、研究開発に専念できるという利点がある。
今回のスポンサーシップにより、小野薬品は、米国の主要バイオテクノロジーの集積地でLabCentralおよびMBC BioLabsの施設に入居するスタートアップバイオベンチャー企業等が持つ最新の情報に早期からアクセスすることが可能になる。
また、獲得した最新情報を活用して、オープンイノベーションを推進し、当社の重点領域における研究開発をさらに促進していくことを目的にしている。
なお、両機関とのスポンサーシップ契約はそれぞれ3年間。この活動には、小野薬品研究所および関係会社のOno Pharma USA, Inc.とOno Venture Investment, Inc.も関与していくことになる。
滝野十一小野薬品常務執行役員研究本部長は、「当社は、研究開発に重点を置きながらスタートアップバイオ企業の育成支援機関とも緊密に協力することにより、新しいアイデアや企業が発展・成長する肥沃な環境を作り出し、早期の創薬研究活動を活性化できると信じている」と強調。
さらに「LabCentralとMBC BioLabsは共に、将来有望なスタートアップ企業を発掘して成長させた実績を持っている。彼らのエコシステムの重要な部分を当社が担うことで、次世代のバイオテクノロジーおよびライフサイエンス企業の創出を支援することを楽しみにしている」とコメントしている。
一方、LabCentralの共同創設者兼社長のJohannes Fruehauf氏は、「ケンブリッジ市のケンドールスクエアは、バイオテクノロジーとライフサイエンスにおける起業家のアイデア、イノベーション、協働および科学的発見の世界の中心地であり続けている」と明言。
その上で、「LabCentralは、初期段階のスタートアップ企業にこのエコシステムへのアクセスを提供するだけでなく、私たちの運用モデル、独自の文化、および私たちスポンサーの支援と関与を通じてこれら企業の成長を加速させる。そのため、小野薬品が最新のスポンサーとして参画されることを嬉しく思う」と話す。
MBC BioLabsのゼネラルマネージャーのDouglas Crawford氏は、「我々は、起業精神を持つ科学者が成功を手にするためのツール、機能、リーダーシップの適切な組み合わせの提供を目的としている」と説明する。
さらに、「小野薬品の専門知識と私たちのスタートアップ企業の促進力を組み合わせることで、革新的なアイデアを有するスタートアップ企業に将来の可能性を発展、加速させる環境を提供できることを嬉しく思う」と述べている。