尋常性乾癬等対象疾患の抗体誘導ペプチド「FPP005」前臨床試験開始  ファンペップ

 ファンペップは29日、尋常性乾癬等を対象疾患として開発を進めてきた抗体誘導ペプチドの新規開発化合物「FPP005」(標的タンパク質:IL-23)について、臨床試験開始に向けた前臨床試験を開始したと発表した。
 同社は、新しいモダリティ(創薬技術)である抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術の保有を強みとし、大阪大学大学院医学系研究科との共同研究で様々な疾患を対象とする抗体誘導ペプチドの探索研究を推進している。
 これまでに海外で臨床試験を実施中の「FPP003」(乾癬・強直性脊椎炎、標的タンパク質:IL-17A)及び前臨床試験段階の「FPP004」(花粉症[季節性アレルギー性鼻炎]、標的タンパク質:IgE)を創出しており、新たに「FPP005」の前臨床試験を開始して開発パイプラインをさらに強化した。
 抗体誘導ペプチドは、患者の体内で抗体産生を誘導して治療効果を示すペプチドワクチンで、バイオ製造施設で製造する抗体医薬品とは異なり、化学合成での製造が可能なため製造コストを抑制できる。
 さらに、投与後は患者の体内で免疫細胞が一定期間持続的に抗体を産生するため、薬剤投与間隔も長いことを特徴とする。
 こうした特徴により、ファンペップは、高額な抗体医薬品に対して医療費を抑制できる代替医薬品として抗体誘導ペプチドを開発し、「先進国で深刻化する医療財政問題の解決や患者の負担軽減に貢献していく」考えだ。
 「FPP005」の標的タンパク質 IL-23 は、様々な炎症性疾患の病態に重要な役割を担っており、先行する抗IL-23抗体医薬品は、尋常性乾癬、乾癬性関節炎、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の幅広い疾患を対象に開発が進んでいる。
 「FPP005」についても、尋常性乾癬を始めとする幅広い炎症性疾患を対象に開発を進めて社会への貢献を目指していく。
 なお、IL-23を標的とした抗体誘導ペプチドの研究開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「研究開発型ベンチャー支援事業/橋渡し研究開発促進による事業化支援」の支援を受け、橋渡し研究機関大阪大学との共同研究により実施している。
 FPP005 の前臨床試験は、昨年の株式上場時の公募増資による調達資金を充当して進める予定で、当該費用を織り込んだ2021年12月期の業績予想は、2020年12 月期決算短信公表時(2月10日予定)に開示する見込みである。

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