2019年度カーボンニュートラル達成  武田薬品

 武田薬品は28日、2019年度の同社のバリューチェーン全体でカーボンニュートラルを達成したと発表した。同成果は、武田薬品内の省エネルギー対策、グリーンエネルギーの調達、ならびに再生可能エネルギー証書(REC)および高品質の検証済みカーボンオフセットへの投資に継続的かつ重点的に取り組んできたことが実を結んだもの。
 同社が掲げる2019年度のスコープ 1、2 および 3 の排出量100%削減に向けてこれらの対策を一体的に推進した結果、同社が持続可能性を追求する中でひとつの重要な目標を達成した。
 クリストフ・ウェバー 武田薬品代表取締役社長 CEOは、「気候変動は、当社が根絶に向けてまさに取り組んでいる感染症の蔓延を含め、人々の健康にリスクをもたらしている。こうした状況下で、重要なマイルストンを達成したのは、環境の持続可能性に対する当社の真摯な取り組み姿勢の証左である」と強調。
 さらに、「当社は、企業存在意義を果たしていくために邁進しており、今夏に創立240年を迎えるグローバル企業として、今回の達成を誇りに思うものの、やるべきことが多く残されている」と断言。
 その上で、「自らの規模を生かして気候変動の緩和に寄与し、患者やともに働く仲間、そしていのちを育む地球に確実に好影響をもたらすことができるよう引き続き取り組んでいきたい」とコメントしている。
 武田薬品が今回のマイルストン達成に用いた方法の1つは、12ヵ国における30 件以上の再生エネルギーやカーボンオフセットのプロジェクトへの投資だ。これらのプロジェクトは、風力・太陽光エネルギーの使用、水の浄化、森林の保全、 および生物多様性の保全を推進している。
 同プロジェクトは、国連の「持続可能な開発目標」の 17 項目のうち15項目に該当する取り組みであり、より持続可能な未来作りを促進する一方で、地域社会の支援も進めている。 全てのカーボンオフセットでは、特に追加性、計測可能性、透明性、登録および第三者による検証を含め、厳格な 基準への適合が求められた。
 武田薬品が支援するプロジェクトは次の通り。

•マラウイにおける飲料水の浄化:新たな深井戸を掘削すると同時に、破損した深井戸を修復し、安全な飲料水を提供する。その結果、水の煮沸や浄化を目的とした燃料用木材の使用量が減少した。

•ワーキング・ウッドランズ・プログラム:米国テネシー州北東部に広がる8600 エーカー(34.8平方キロメートル)を上回る面積の民間所有の公園を保全し、米国の低所得地域においてレクリエーションを中心とした 観光の振興を進めている。

•日本での森林管理:日本国内における持続可能な森林管理の実践を通じて、自然の二酸化炭素吸収を促進し、地域の大気の質向上を図る。

•中国での太陽熱調理器導入:中国の辺境の地に居住する農家において、石炭に代えて太陽熱による調理器具を導入できるように投資を行った。これにより、調理やお湯のニーズに応えるとともに、屋内の空気清浄化に寄与している。

•インドでの太陽光エネルギー活用:太陽光エネルギーによる照明や温水暖房の開発を支援し、インド国内の複数の州において化石燃料使用量を削減する。

 今回のカーボンニュートラル達成を基盤に、武田薬品は、事業活動での温室効果ガス排出量の削減に引き続き取り組む。特に、2025 年度までに同社の事業活動からの温室効果ガス排出量を40%削減するとともに、2040年度までにオフセットなしでのカーボンゼロの達成を目指す。
 この気候関連の目標を達成するため、全社的な組織横断プログラムを開始し、再生エネルギーの使用量増加とエネルギー効率の向上を進めている。さらに、同社は、自社の事業枠を越えてサプライヤーとも協力し、サプライヤーにおける科学的根拠に基づいた削減目標の設定や温室効果ガス排出量の削減を支援している。
 科学的根拠に基づき行動する企業として、気候変動に関する同社のコミットメントは、気候に関する最新のサイエンスと方向性が合致している。サイエンス・ベースド・ターゲット・イニシアティブ(SBTi)は 2020年に、同社の削減目標が、世界の気温上昇を産業革命以前から1.5°C以内に抑えるために必要な削減量と一致すると認定した。
 また、武田薬品は、気候変動緩和におけるリーダーシップが評価され、2020 年のCDP「A リスト」に認定された。Corporate Knights 社の「世界で最も持続可能な100 社」(Global100)に 6 年連続で選出されている。

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