アッヴィは25日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が、JAK阻害薬ウパダシチニブについて、関節症性乾癬やリウマチ性疾患の治療薬として承認を推奨したと発表した。
対象疾患は、活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)および活動性強直性脊椎炎のリウマチ性疾患を有する成人患者。
CHMPの肯定的な見解は、ウパダシチニブが複数の疾患活動性指標で有効性を示した3件のピボタル臨床試験の結果に基づくもの。
P3相SELECT-PsA1、SELECT-PsA 2のいずれの試験においても、ウパダシチニブはそれぞれ非生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)または生物学的DMARDで効果不十分であった活動性乾癬性関節炎(関節症性乾癬)を有する成人患者において、プラセボとの比較で、主要評価項目である12週時のACR20改善を達成した。
ウパダシチニブは、生物学的DMARDの使用経験がなく、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)で効果不十分または不耐容であった患者を対象としたP2/3相SELECT-AXIS1試験で、プラセボとの比較で、主要評価項目である14週時のASAS40(国際脊椎関節炎評価学会(ASAS)基準)を達成した。
SELECT-PsA 1、SELECT-PsA2およびSELECT-AXIS1試験の安全性に関する結果は、過去に報告されており、関節リウマチで認められたものと一貫性を示しており、新たな重大な安全性のリスクは認められなかった。
CHMPの肯定的な見解は、欧州連合での製造販売を承認する欧州委員会に向けた製造販売承認に関する科学的推奨となるものだ。この製造販売承認は、欧州連合の全加盟国、ならびにアイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーで有効となる見込み。
トーマス・ハドソン アッヴィR&Dシニア・バイスプレジデントは、「CHMPが乾癬性関節炎(関節症性乾癬)および強直性脊椎炎の両方に対してウパダシチニブの承認を推奨したことは重要だ。承認された場合、ウパダシチニブは欧州連合における3つのリウマチ性の適応症に対する1日1回経口投与の治療選択肢となる」と説明。
さらに、「これらの推奨は、乾癬性関節炎(関節症性乾癬)および強直性脊椎炎とともに生きるより多くの人々のさまざまな症状を緩和できるようにするための道を開くものである」と強調している。