アルンブリグ 国内で非小細胞肺癌治療薬として承認取得  武田薬品

 武田薬品は22日、アルンブリグについて、ALK 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する治療薬として、厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。
 適応は、ALK 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌を適応とする一次および二次以降の治療。
 今回の承認は主に、ALK チロシンキナーゼ阻害剤治療後に増悪したALK融合遺伝子陽性(ALK陽性)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)患者72例を対象とした国内臨床P2相試験である Brigatinib-2001 (J-ALTA)および、ALKチロシンキナーゼ阻害剤による治療歴のないALK陽性の切除不能な進行・再発の NSCLC患者を対象とした海外臨床P3相試験AP26113-13-301(ALTA-1L)の結果に基づくもの。
 これらの臨床試験でアルンブリグは、次世代ALK阻害剤として充実した臨床エビデンスを示しており、脳転移症例を含む ALK陽性NSCLC患者の一次および二次以降の治療薬として有効性が確認されている。
 一方、アルンブリグの治療を受けた日本人の患者において報告された最も一般的な副作用(≥25%)は、血中CPK 増加、下痢、高血圧、悪心、リパーゼ増加、アミラーゼ増加、AST 増加および口内炎であった。
 J-ALTAの治験参加施設の責任医師である西尾誠人がん研究会有明病院呼吸器センター長/呼吸器内科部長は、「近年、ALK陽性NSCLCの診断、検査、治療には大きな進歩がみられる一方で、患者個々の症例によっては、依然として ALK阻害剤の有効性に関して課題が残るケースもある」と指摘。その上で、「アルンブリグは、脳転移症例を含め ALK陽性の肺がんに対して有効性が示されている。今回のアルンブリグの日本での承認は、ALK 陽性NSCLCと新たに診断された患者、また既存のALK阻害剤に抵抗性または不耐容となった患者の両方にとって重要なマイルストンであると考えている」とコメント。
 Christopher Arendt武田薬品Oncology Therapeutic Area Unit Headは、「アルンブリグの日本での承認により、ALKドライバー変異によって引き起こされる NSCLCにおいて、この標的療法の恩恵を受けることのできる患者がさらに増えると考える」と話している

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