フジファインズと奈良県立医科大学及びMBTコンソーシアムの共同研究で、同社製オゾン水生成器「マルチオゾンボトル&スプレーR(OY-FF60S)/マルチオゾンボトル&スプレーPro(OY-FF62―B)」で生成された低濃度のオゾン水において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する不活化効果が確認された。同共同研究は、奈良県立医科大学微生物感染症学講座矢野寿一教授、中野竜一准教授らが実施したもの。
フジファインズ製オゾン水生成器の製品実機を使用し、水道水を電気分解することにより生成されたオゾン水において、新型コロナウイルスを不活化する効果が確認された。
なお、同研究における試験および効果の確認は、バイオセーフティレベル3(BSL3)実験施設内において適切な病原体封じ込め措置のもとに実施された。
フジファインズは、2011年に基礎研究を開始し、除菌・消臭の分野において社会貢献すべく、第三者機関や大学・研究機関との共同研究などによる製品の効果の実証およびその開示に尽力しており、同研究もその一環である。
また、フジファインズは、日本医療・環境オゾン学会及び、日本オゾン協会の法人会員であり、オゾン水および、オゾンガスを用いた製品開発を推進し、オゾン製品では6種類の使用使途に応じた製品をラインナップしている。
同研究における、オゾンによる新型コロナウイルスに対する不活化効果の評価試験の概要は次の通り。
・試験品
オゾン水生成器「マルチオゾンボトル&スプレーR(OY-FF60S)マルチオゾンボトル&スプレーPro(OY-FF62―B)」(本機器)で生成したオゾン水
・試験ウイルス
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
・試験内容
同生成器で生成したオゾン水を、ウイルス液20μlを塗抹乾燥したシャーレ上に10~20㎝の距離から噴霧した(図1)
5分間の反応後、チオ硫酸ナトリウム入りSCDLP培地で反応を停止させ回収液を用いてウイルス感染価(PFU/mL)をプラーク法にて各3回測定した。
減少率は対数減少値より次の通り算出した。減少率 =(1−1/10 対数減少値)x100%
なお、全試験は、奈良県立医科大学内のバイオセーフティレベル3(BSL3)の実験施設で、適切な病原体封じ込め措置のもとに実施された。
その結果、生成したオゾン水を9.67 x 10^6 PFU/ml の新型コロナウイルスに噴霧することにより、マルチオゾンボトル&スプレーRでは、5回噴霧で99.974%、10回噴霧で検出限界の<1.50 x 10^2 PFU/ml(減少率>99.998%)まで感染価が減少した。
また、マルチオゾンボトル&スプレーPro(3 回噴霧)では、検出限界の<1.50 x10^2 PFU/ml(減少率>99.998%)まで感染価が減少した。
これらの果から、使用したオゾン水はSARS-CoV-2を速やかに不活化することが判明した。同機器を使用することにより、物質の表⾯についた新型コロナウイルスによる接触感染防⽌に有効である可能性が示唆された。
なお、試験設備などの制約上、浮遊するウイルス、⼈体への影響については検証を行っていない。また、低濃度オゾンの生成には本機器の製品実機を用いているが、効果確認は実験施設内で行ったものであり、同結果は実使用環境における効果を示すものではない。