コロナ禍での力士引退に想う怖がる人の権利 杉並区 柿田医院院長 柿田豊

新型コロナが「怖いから」休むでは理屈は通らないと言われ力士が引退。 
 一見パワハラ案件のようにも見えるが、問題の本質はそこではない。
 報道や国の施策と、一般社会の一員である相撲協会理事の、疾患の重症度に関する認識に齟齬があるからこそ発生した事象。
 これがコロナではなくエボラ出血熱なら相撲協会も「そうだね、休んで良いよ」と言うだろうし、それ以前に初場所を開催していないだろう。
 指定感染症を解除せず、一般の人に新型コロナがとても怖いと思わせているのは誰か?
 一方で相撲協会が初場所を開催するのは、エボラ並みに悲惨な病気であると認識するほどの実体験がないから。
 医療関係者のみならず、ほとんどの人は新型コロナがエボラほどの脅威ではないことは認識している。しかし国がエボラ並みの対応をしているのだから、額面通りに怖がる人の権利も認められるべきだとも思う。ましてや過体重はリスクが高いと言われていて、昨年若い力士が一人亡くなった事実もあるのだから。
 この力士が過剰に臆病なのでは無く、報道や国の施策が過剰なのだと思う。高齢、基礎疾患、肥満などが高リスクであると言う認識は必要だが、社会全体の動きを止める必要はないと思う。
 琴貫鐵さんは、自分の考えで最良と思う行動をとっているだけな訳で、今後の人生何一つ恥じることなく胸を張って生きて頂きたい。たとえ過剰であっても、自分の命を自分で守るという意識を持つ権利は侵されるべきではない。

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