新型コロナ治療薬高度免疫グロブリン製剤P3試験に第1例目患者登録  武田薬品

 武田薬品は9日、新型コロナウイルス感染症による重篤な合併症リスクに対する治療薬候補の高度免疫グロブリン製剤のP3相試験(ITAC試験)に第1例目の患者が登録されたことを確認したと発表した。
 ITAC試験は、米国国立衛生研究所(NIH)の米国国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が実施しているもの。患者登録は、血漿分画製剤で世界をリードする製薬会社が協業して血漿分画製剤を開発するCoVIg-19アライアンスによって確認された。武田薬品はCoVIg-19 アライアンスを創設した企業の1 つである。
 ITAC試験では、新型コロナウイルス感染症により重篤化リスクのある患者を治療できる可能性がある抗コロナウイルス高度免疫グロブリン静注製剤(H-Ig)の安全性、忍容性、有効性が評価されている。
 成功すれば、アライアンスで取り組んでいるH-Ig が、入院が必要なCOVID-19 患者を対象とした最も早く承認を得る治療選択肢の一つになる可能性がある。
 武田薬品Plasma-Derived Therapies Business Unit Presidentで、CoVIg-19 アライアンス共同リーダーのJulie Kim氏は、「この取り組みを始めてわずか数か月で、臨床試験に患者を登録する重要な節目を迎えることができた。この急速な進展は、COVID-19パンデミックと闘うために、バイオメディカル・コミュニティ全体で協力し、決断し、イノベーションを生み出したからこそ成し得た」と強調。さらに、「我々は、COVID-19 から回復したすべての人に、血漿を提供してこの取り組みを支援いただけるよう呼び掛けている。回復者の血漿には、貴重な抗体が含まれており、同じ疾患で苦しむ人を救える可能性がある」とコメントしている。

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