レルゴリクス 前立腺がんP3試験追加データ発表  大日本住友製薬

 大日本住友製薬は30日、レルゴリクスの進行性前立腺がんを対象としたP3試験(HERO試験)における追加データとして、副次評価項目の無去勢抵抗性イベント生存率は、レルゴリクス群では 74%、リュープロレリン群では 75%であり、レルゴリクスの統計的優越性は示されなかったと発表した。同剤は、大日本住友製薬米国連結子会社のマイオバント社が開発しているもの。
 この結果を受けてデューク大学医学部外科学教授でHERO試験運営委員会メンバーのダン・ジョージ氏は、「両剤の無去勢抵抗性イベント生存率は同程度であったが、レルゴリクスは、現在の標準治療である注射剤のリュープロレリンと比較して主要な心血管系有害事象のリスクが低い」と指摘。その上で、「HERO試験における全体的な臨床および安全性データを考慮すれば、レルゴリクスは前立腺がん患者の新しい差別化された治療選択肢になると考えられる。1日1回経口投与の本剤の前立腺がんの治療への貢献が期待される」とコメントしている。
 追加データの解析結果では、転移性前立腺がんのサブグループにおける48週にわたる無去勢抵抗性イベント生存率は、同剤群では74%、リュープロレリン群では75%であり、同剤の統計的優越性は示されなかった[HR = 1.03(95% CI: 0.68-1.57)、p=0.84]。
 安全性については、転移性前立腺がんのサブグループにおける有害事象の発現率は、HERO試験の一次解析で観察されたものと一致しており、新たな安全性上の懸念は示されなかった。
 マイオバント社 CEOのリン・シーリー氏は、「New England Journal of Medicineに掲載されたデータを含めて全体的に考えると、レルゴリクスのHERO 試験は、進行性前立腺がんの患者にとって本剤が有用な治療薬となり得る可能性を示す説得力のあるエビデンスであると考えている」と明言する。
 レルゴリクスの新薬承認申請には、同剤が有効性の主要評価項目を達成(患者の96.7%が48週間にわたって持続的にテストステロンの去勢レベル(<50ng/dL)への抑制を達成)するとともに、主な6 つの副次評価項目についてもすべて達成したHERO試験のデータが含まれている。同剤の新薬承認申請は、FDAによる優先審査により、本年12月20日に審査終了目標日を迎える。

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