手術用パッチ剤「TachoSil」をCorza Health社に譲渡  武田薬品

 武田薬品は、フィブリノゲン配合組織接着・閉鎖パッチ剤「TachoSil」をCorza Health社に譲渡する契約を締結したと発表した。
 TachoSilは、安全、迅速かつ有効に止血管理することから、世界中の医療従事者から信頼を得ている手術用パッチ剤で、2019 年度(2020年3月期)の売上高は約1億6000万米ドル。
 武田薬品は、一定の法律上・規制上のクロージング条件を満たすことを前提に、譲渡完了時に3億5000 万ユーロを現金で受領する。
 Corza Health 社は、2019 年にプライベート・エクイティ・ファンドである GTCR とヘルスケア業界において経験豊かな Gregory T. Lucier によって、市場をリードするヘルスケア・ビジネスを構築することを目的に設立され、特に、幅広いヘルスケア関連の技術やライフサイエンス領域に注力している。
 武田薬品Chief Financial OfficerのCosta Saroukos氏 は、「今回の公表は、当社ポートフォリオの最適化に向けた取り組みの着実な進を示すもので、当社が重点を置くビジネスエリアにおいて革新的な治療薬を届け、レバレッジ低下目標を達成することに貢献するものである」と強調。
 さらに、「ポートフォリオの最適化・簡素化を進めていく中で、TachoSilの譲渡先として Corza Health 社という適切なパートナーを得られたと考えている」とコメントしている。
 武田薬品は、2020年も引き続き資産売却戦略を実行してきた。直近では、欧州およびカナダにおけるノン・コア資産を Cheplapharm社に約5億6200 万米ドルで譲渡する契約を締結。本年8月には、武田コンシューマーヘルスケア株式会社をBlackstoneに2420 億円(約 23 億米ドル)で譲渡する契約を締結した。
 さらに、本年6月には、アジア・パシフィックの国々に限定して販売する同社のノン・コア資産ポートフォリオを、Celltrion 社に最大 2億7800万米ドルで譲渡する契約を締結、同年4月には、欧州におけるノン・コア資産およびデンマークとポーランドの製造施設を Orifarm Group に最大 6 億 7,000 万米ドルで譲渡する契約締結を、同年3月にはラテンアメリカにおけるノン・コア資産をHypera Pharma 社に8億2500万米ドルで譲渡する契約を締結した。
 また、ロシア・CIS におけるノン・コア資産のSTADA社への譲渡および中近東・アフリカにおける一部の一般用医薬品およびノン・コア資産の Acino 社への譲渡は完了している。
 武田薬品は、同譲渡で得られる資金を負債の減額に充て、2021年度から2023 年度までの間に純有利子負債/調整後 EBITDA 倍率を 2倍にする目標に向けレバレッジ低下を加速させる。同社は、ポートフォリオを簡素化しながら、キャッシュ・フローとノン・コア資産売却から得られる資金により迅速なレバレッジ低下に取り組んでいく。

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