レダセムチドの医師主導治験実施でステムリムと契約締結      塩野義製薬

 塩野義製薬は30日、ステムリム(本社:大阪府茨木市)との間で、同社が全世界における独占的開発・製造・販売権を保有している再生誘導医薬候補S-005151(一般名:レダセムチド)について、今後、新たな疾患を対象とした医師主導治験を実施していくための新たな契約を締結したと発表した。
 レダセムチドは、怪我や病気で損傷した組織を生きた細胞を用いることなく薬の投与により再生させる再生誘導医薬の開発品。患者の骨髄内に存在する間葉系幹細胞を刺激し血液中に放出させることで、体内を循環する間葉系幹細胞の量を増加させる薬理作用を有している。
 これまでに大阪大学等で実施された表皮水疱症患者に対するP2相医師主導治験において、良好な成績が確認されており、現在、承認申請に向けて準備を進めている。また、急性期脳梗塞患者を対象とした国内P2相試験についても進行している。
 同契約締結により塩野義製薬は、ステムリム社がこれまでに複数のアカデミア・グループとの共同研究を通じて蓄積してきた非臨床研究のエビデンスを活用することが可能となる。なお、同件が2021年3月期連結業績に与える影響は軽微である。
 今後、塩野義製薬では、ステムリム社と共に新たに3つの疾患(慢性肝疾患、変形性膝関節症、心筋症)を対象とした医師主導治験を推進していく。

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