森林浴

 緊急事態宣言の解除のタイミングで、友人の誘いで、大阪府南部の森を訪れました。薬剤師としての日々の仕事以外に初めての外出でした。
木々が青々と輝き、小川のせせらぎやカジカの鳴き声など、市街地から30分で来られたとは想像できないような、何年か前に訪れた信州の別荘地に近い風景でした。その辺りにはハイキングやマウンテンバイクを楽しめる道もあり、キャンプ場では薪をくべる香りが漂い、大自然と人々が楽しく慎ましく共存しておりました。野の花の名前を調べたり、竹の林の写真を撮ったり、大の字に寝て、地面から空に突き抜ける木々を見上げたりいたしました。
 オーガニックのレストランがあり、そこで遅いランチをいただきました。広々とした空間は贅沢に澄んだ空気がいっぱいで、美味しいお料理とともに、体の中にいいものをいっぱいいただきました。
 翌日なんとなく筋肉痛。適度な疲労感なのですが、それが心地よいので、山道効果なのかな、森林浴効果なのかなと調べてみました。
主な森林浴効果は、脳の前頭葉活動の鎮静化、交感神経の抑制と副交感神経の昂進、ストレスホルモン「コルチゾール」の濃度低下、ナチュラルキラー細胞の活性化とありました。美しい風景を楽しむことや樹木が発散するフィトンチッドなる香りで森林浴効果を得ることができるそうです。
 一方、不要不急の外出を避けたことから得たメリットは、断捨離でしょうが、真価の問われることと思いました。この期間を過ごしたおかげで、本当に大事なことは何なのか、わかったような気がします。
 歴史上もコレラやスペイン熱などの疾病、自然災害、大きな戦争で多くの犠牲が払われました。今回の新型コロナウィルスによる非常事態も、今後起こりうるウィルスの変異も、地球がどうしても向かい合わなければならないことなのだなと思います。困難に向かった時にはいかに対応するかが大事なことと言われますが、私も全くその通りだと思います。どこか調子に乗って生きていた感がありますので、これを機会に改めてみたく思います。

薬剤師 宮奥善恵

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