小野薬品は18日、オプジーボとヤーボイの併用療法が、PD-L1発現率が 1%以上で、EGFR やALK遺伝子変異陰性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者のファーストライン治療薬として、FDAの承認を取得した発表した。ブリストル・マイヤーズスクイブ社(BMS)が15日に公表したもの。
この承認は、P3CheckMate -227試験のPart 1aに基くもので、同試験において、最短29.3 カ月の追跡調査で、腫瘍の組織型にかかわらず、オプジーボとヤーボイの併用療法(n=396)は、化学療法(n=397)と比較して、良好な全生存期間(OS)の延長を示した[ハザード比(HR)0.79;95%信頼区間(CI): 0.67 – 0.94;P=0.0066]1,2。OSの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で17.1カ月(95% CI:15.0 – 20.1)、化学療法群では 14.9 カ月(95% CI:12.7 – 16.7)であった 。
同試験における1年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で 63%、化学療法群で56%であり、2年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で 40%、化学療法群で 33%であった。3年(追跡期間の中央値は43.1カ月)生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で33%、化学療法群で22%であった。 盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による奏効率(ORR)は、最短 28.3 カ月の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法群で36%(396例中 142 例、95% CI:31 – 41)、うち5.8%が完全奏効(CR)、30.1%が部分奏効(PR)であったのに対し、化学療法群では30%(397 例中 119 例、95% CI:26–35)、うち1.8%がCR、28.2%がPRであった。
奏効患者における奏効期間(DOR)の中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で 23.2 カ月(95% CI:15.2 – 32.2)、化学療法群で6.2 カ月(95% CI:5.6 – 7.4)であった。ORR とDOR は、あらかじめ計画された記述的解析であった。
CheckMate-227試験の治験担当医師のMatthew D. Hellmann氏(M.D. メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター腫瘍内科医)は、「進行肺がんの患者は依然として、持続的な奏効をもたらし得る新たな治療選択肢を必要としている」とした上で、「CheckMate-227試験の結果は、免疫療法薬による 2 剤併用療法が、進行 NSCLCの適格患者に長期生存の可能性をもたらすことを示したものである」と明言する。
Chris Boerner氏(BMS社チーフ・コマーシャリゼーション・オフィサー)も、「オプジーボは、2015年に、治療歴を有する NSCLC患者の治療薬として承認を受けた最初の免疫療法となり、NSCLCの治療法に変革をもたらす新たな時代の幕を開く」と強調。さらに、「オプジーボとヤーボイの併用療法は、ファーストライン治療で承認を取得した免疫療法薬による最初の2 剤併用療法として、これまでの実績を積んでおり、進行肺がんの患者の長期生存に対する当社のコミットメントを示すものである」とコメントしている。