オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス(本社:米国、オーソ)は28日、オーソで2種類目となるSARS-CoV-2(COVID-19 /新型コロナウイルス)の抗体検査試薬「ビトロス(R) Anti-SARS-CoV-2 IgG抗体検査試薬キット」が25日(米国時間)にFDAによる緊急使用許可(EUA)を取得したと発表した。
同検査試薬は、FDAからEUAを取得した数少ない新型コロナウイルス抗体検査試薬のうちの一つ。オーソは1種類目となる「ビトロス(R) Anti-SARS-CoV-2 Total抗体検査試薬キット」についても、4月14日にFDAからEUAを既に取得している。これら2種類の抗体検査試薬の特異度は100%を誇るため、実際にウイルスに対する免疫を獲得していない人が偽陽性となることない。
1種類目のCOVID-19 Total抗体検査試薬は、感染初期の急性期に出現するIgM抗体を含む全ての抗体を検出し、免疫の獲得開始の判断に役立つ。2種類目のCOVID-19 IgG抗体検査試薬は、感染の後期に出現し回復後も患者の血液中に存在するIgG抗体のみを検出する。これらオーソの2種類のCOVID-19抗体検査試薬を使用することで新型コロナウイルス感染による免疫獲得の判断に使用できる。オーソは、2種類のCOVID-19抗体検査試薬を世界各国で使用できるよう大量生産体制を整えており、来月には世界中の患者が社会生活や経済活動に復帰するための検査に役立つものと期待されている。
日本国内は5月より医療機関に提供
同検査試薬は、オーソの生化学免疫分析装置のビトロス(R) XT 7600統合システムをはじめ、ビトロス(R)3600免疫診断システム、ビトロス(R)5600統合システム、ビトロス(R)ECi / ECiQ免疫診断システムで検査が可能となる。このシステムは、外部の給俳水設備が不要なため、場所を選ぶことなく設置でき、米国全体では1000を超える医療機関および医療関連機関で使用されている。
日本国内では、オーソの全自動検査機器を使用している医療機関および医療関連施設に、研究用試薬として5月下旬より順次提供できるよう準備している。
マイケル・P・ブッシュバイタラント研究所は、「COVID-19に関する研究の主な分野の1つは、特定の抗体が血液中に出現する時間とレベルを特定することである。これは、患者が感染しているかどうか、および免疫を獲得したかどうかの確認に役立つ」と明言。その上で、「 IgGとIgMを含めた全ての抗体を検出できるオーソの抗体検査試薬は、感染と免疫の両方をさらに理解でき、適切な臨床におけるガイダンスの促進に寄与する」と述べている。